1.前庭疾患
「前庭」とは、猫の耳の中にある器官です。姿勢を維持したり眼球の位置を調整したりする働きがあるのですが、ここに異常が生じると、さまざまな問題が起きてきます。
たとえば平衡感覚がおかしくなるため体がゆらゆら揺れる、真っ直ぐ立てない、首が傾くなど。原因は脳の異常や中耳炎、内耳炎など耳の異常が考えられます。猫では耳に問題があるケースが多いようです。
中には原因がはっきりとわからない「特発性」の場合もあります。適切な治療を行えば治る可能性の高い病気なので、愛猫の動きにおかしなところがあったら早めに受診しましょう。
2.糖尿病
猫が糖尿病にかかり末期となると、ふらつきが見られる場合があります。肥満猫は標準体重の猫よりもこの病気になる可能性が高いです。食事やおやつを与えすぎないなど、日頃から注意する必要があります。
初期症状は「多飲多尿」から始まり、末期になるとふらつきの他食欲や元気の低下、下痢、嘔吐、毛艶の悪さなどが目立ちます。明らかに体調が悪い様子になるのです。こうなると命に関わる危険な状態となります。
肥満にならないように気をつけると共に、猫の健康チェックはマメに行うようにしましょう。
3.尿毒症
猫が尿毒症になると、ふらつきが見られたりぐったりしたり、継続する吐き気などが見られます。元々は腎不全が原因で起きる病気です。
老廃物を取り除いてくれる腎臓の機能が低下し、十分働かなくなります。すると本来なら除去されるはずの老廃物が体内にとどまり、毒となって全身に回ってしまうのです。命が危ぶまれる状況ですので、すぐに対処しなければなりません。
4.中毒
飼い主さんにはおいしい食べ物でも、猫には毒となる場合があります。玉ねぎやにら、らっきょうなどに含まれる成分で赤血球が破壊され、溶血性貧血を起こして身体がゆらゆら揺れてしまうのです。猫が飼い主さんの食べ物を盗み食いしないよう、十分注意しなければいけません。
ハンバーグのお肉など、猫が興味を持ちそうな食材と一緒に中毒を起こす食材が混ざっている場合があります。また、お味噌汁など玉ねぎを茹でた汁にも猫に毒となる成分が含まれているため、絶対に飲ませないようにしましょう。
5.脳の異常
脊髄や脳炎、水頭症や脳腫瘍などの病気により、身体が揺れてしまうことも。脳の神経が圧迫されている可能性があります。早めに動物病院へ連れて行きましょう。
しかし、異常があってもそれを猫が隠していれば、飼い主さんが気づきにくいかもしれません。年に1〜2回の定期健診で早期発見できる可能性があります。愛猫の健康維持のためにも、オススメです。
まとめ
数多くある猫の動作の中でも、「身体が揺れる」というのはあまりお目にかかりません。重大な病気の可能性も否めないため、見かけたらすぐ対処して行きましょう!