猫は地震を予知できるか?
あるペット関連サイトが、2011年の東日本大震災後に地震とペットに関するアンケート調査を行いました。
回答者は1,976名で、そのうちの約6割の方が震度4以上の地域におられた方でした。
以前から、犬や猫は地震を予知できるため、地震が発生する前には普段と異なる異常な行動が見られるといわれてきました。
このアンケート調査でも約17%の方が、『地震の発生前に、愛犬や愛猫にいつもとは異なる行動が見られた』と回答しています。
さらに、震度4以上の揺れに遭遇された方の場合は、約23%の方が異常行動を見たと回答しています。
これらの回答から、揺れの激しい地震に関しては、2割強の犬や猫が事前に地震の発生を感知していると考えても良さそうです。
このアンケート調査の回答で寄せられた、主な犬や猫の異常行動には、下記のようなものがみられたそうです。
1.飼い主のそばから離れない
2.いつもより吠える、鳴く
3.体を小刻みに震わせる
4.普段と異なる場所にいたがる
5.落ち着きがない
6.怯えている
7.どこかに隠れる
猫の地震予知能力については諸説ありますが、猫は「地震による磁場の変化、些細な揺れや地下深部で始まる揺れ、地震による岩盤の割れ目から発生する静電気」などを感知するといわれています。
しかし、上記のアンケートからも分かるように、すべての猫に予知能力があるわけではないようです。
それでは次に、愛猫のために準備しておくべき地震対策について、考えてみましょう。
猫のための地震対策
家具の転倒防止
人と同様に、猫にも怪我をさせないことが最も大切な対策になります。
そのためには、まず大きな家具の転倒を防止するための対策が必要になります。
L字金具、ベルト、突っ張り棒、滑り止め用の粘着マット、ストッパーなどを使い、食器棚や本棚、大型家電などの転倒防止対策を行っておきましょう。
本や食器などの落下防止
特に本棚や食器棚の場合は、中の本や食器が飛び出してきて危険です。
前面に扉がついているタイプの棚であれば、扉の開放防止器具を設置する、ガラスには飛散防止フィルムを張っておく、扉のない棚の場合は棚板に落下防止テープを貼り付けるなどの対策をしておきましょう。
脱走防止
大きな揺れに対して強い恐怖を覚えた猫は、パニックになり外に飛び出してしまうことも多いです。
大きな地震の際に避難経路を確保することはとても大切ですが、その際に猫が脱走してしまわないように気を付けてください。
できれば、普段から丈夫な作りのキャリーバッグを室内の安全な場所に設置しておき、いざという時に安心できる隠れ家として使ってもらうようにしておくと安心です。
迷子対策
大きな揺れに対して強い恐怖を覚えた猫は、パニックになり外に飛び出してしまい、そのまま迷子になってはぐれてしまうことも少なくありません。
家屋が倒壊してしまう場合もあるでしょう。
完全室内飼いの場合でも、いざというときのためにマイクロチップの装着や首輪に迷子札を付けておくといった迷子対策をしておきましょう。
避難への備え
愛猫との同行避難に備えて、下記の物をひとまとめにして、いつでも愛猫と一緒に持ち出せるようにしておきましょう。
定期的に保管状態をチェックし、消費期限などの管理も行ってください。
また、愛猫に持病がある場合は薬や療法食も一定の日数分を余計に備蓄できるようにしておきましょう。
- キャリーバッグ
- ペットシーツ
- 簡易トイレ
- ゴミ袋
- フード(普段食べているもの)
- 水(軟水)
- 食器
- 常備薬(動物病院で5日分程度多めに出してもらうようにしておくとよい)
- 愛猫のニオイのついた毛布やタオルなど
- 猫用ハーネス(普段から慣らしておきましょう)
- ウェットティッシュ
いざという時に備えて普段から気を付けておくこと
前述のアンケートで最も多かった回答が「ペットの不安が強く、安心させるのが難しかった」というものでした。
大きな地震が何回も繰り返し、室内の様子が一変したり避難所で生活しなければならなくなったりしたら、愛猫も不安でたまらなくなり、かつストレスが溜まってしまうのも当然です。
普段から、飼い主さんが側にいれば安心できるといった信頼関係を築いておく、中に入れば安心できるようにキャリーバッグに慣らしておくといったことを心がけておくことが大切になるようです。
また、どのような状況になっても愛猫を落ち着かせるためには、飼い主さんご自身が焦らずに落ち着いて行動できることが大切です。
焦って無理強いせずに、愛猫のペースに合わせて対応できるように、日頃から災害時の状況をシミュレーションしておくと良いでしょう。
まとめ
いざという時は、頭では落ち着いて行動しようとしても、なかなかうまくはいかないものです。
飼い主さんご自身も恐怖や焦りを感じておられるでしょうし、愛猫もパニック状態かもしれません。
また、避難所の同行避難環境も一定ではありません。
実際には混乱してしまい、うまく運営できていないこともあるかもしれません。愛猫の身を守れるのは、飼い主さんだけです。
日頃の備えと心の準備、シミュレーションなどを通して、いざという時に愛猫も飼い主さんご自身も、安全に避難できるように備えておきましょう。