猫の尿石症は主に2種類
結石には何種類もありますが、猫で多いのはこの2種類です。
- ストルバイト結石(結晶)
- シュウ酸カルシウム結石(結晶)
※「結晶」は顕微鏡レベルの小さな砂粒のこと。「結石」は結晶が見える程度まで成長したものです。
尿石症を見つける9つのポイント
一見してすぐ尿石症だと分かるのは、排尿後の猫砂がキラキラ光っていたときだけです。
通常は膀胱炎とよく似た症状で、採尿やエコーで検査を受けた後に初めて「尿石症」と判断されます。
初期
1.猫砂がキラキラ光る
2.トイレ回数が増える
この段階で気が付けば猫にあまり辛い思いをさせずに済みます。
急性期
3.猫砂が赤い(血尿)
4.トイレでしゃがむ時間が長い
5.トイレやその周辺で鳴く
6.トイレに出たり入ったりを繰り返す
7.トイレ以外でオシッコを試みる
8.尿が出ていない(=膀胱が空で出る尿がない)
普通はここで異変に気が付きます。
緊急事態
9.尿が出ていない(=膀胱に尿が溜まったまま出せない)
尿管に石が詰まって尿が膀胱に貯まり続けている状態です。膀胱に尿が貯まりすぎて腎臓に圧力がかかると急激な腎不全を起こして死に至ります。
尿石症の予防策とは
栄養の偏りをなくす
結石は食べるものに左右されますが、体質によって結石の出来やすさ出来づらさが変わり、完全に防ぐことは時に難しいです。
栄養バランスの整ったフード、年齢に合ったフードを選ぶこと、おやつをむやみに増やさないことがポイントです。
トイレを我慢させない
トイレが汚い、数が足りない、砂がイヤ、落ち着かないなどの理由でトイレを我慢していると結晶を大きくしてしまうので、今1度トイレを見直します。
最低でも猫の頭数+1つ以上のトイレを用意しましょう。
水分を取らせる
水場を増やす・ウエットフードの割合を増やす・スープを飲ませるなどで水分摂取量を増やしてトイレの回数UPを図り、結晶化を阻止します。
運動不足解消
睡眠中は尿意を感じにくいうえ、膀胱内の尿が静かに保たれると結晶化が進みます。適度に遊んで運動させ、尿意を刺激します。
また、肥満は尿石症のリスク因子ということがわかっていますので、適度な運動で肥満を予防しましょう。
尿石症の冬対策
冬に尿石症が増えるのは、寒くてトイレを我慢したり、冷えた置き水を飲みたがらなかったりするからです。
さらに炬燵にこもれば動かない上脱水が進み、ますます尿が濃くなります。
これに対抗するには部屋をほどほどの温度に保つこと。
特に痩せた猫や高齢猫には温かい部屋を提供し、嫌がらなければ服を着せてもいいでしょう。
またウエットフードは内臓を冷やさないよう温めて。お湯やスープを加えたご飯も水分摂取量アップにおすすめです。
まとめ
結石の原因はさまざまで、体質などどうしようもない面もあるようです。
それでも他の要因を排除することで、尿石症になりづらくすることは可能です。
ただし飼い主さんが気をつけているのに結晶・結石ができることは決して珍しくありません。
大切なのは気が付くこと!そのために普段からトイレの様子をチェックしたり、定期的な尿検査を受けたりと、早期発見に努めたいですね。