猫がかかりやすい『外耳炎』ってどんな病気?その原因や症状・治療法4つ

猫がかかりやすい『外耳炎』ってどんな病気?その原因や症状・治療法4つ

人の耳の病気でよく聞く「中耳炎」。これは鼓膜の内側の中耳とよばれる部分が炎症を起こす病気ですが、猫に多いのは鼓膜の外に炎症が起こる「外耳炎」です。主症状は耳の痒みですが、我慢強い猫のこと、気が付かないこともよくあります。痒みは人間でも辛いものです。ここでは愛猫がひっそり悩んでいるかもしれない外耳炎についてご紹介しましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

外耳炎の原因は?

こちらを見るアビシニアンの子ども

外耳炎は耳の穴(鼓膜の外側)に炎症が起きる病気です。

炎症が起きる原因はさまざまで、

  • 耳ダニ
  • 細菌
  • カビ(真菌)
  • アレルギー
  • 腫瘍
  • 異物や耳掃除のし過ぎで傷ができた

などがあります。

症状チェック!それは外耳炎の兆候かも?

耳を掻く茶トラの子ども

原因はさまざまですが症状はどれもよく似ています。初期症状は、

  • 耳の中が汚い
  • 耳が臭う
  • 耳や耳の周りを掻く回数が増えた

など、耳に少し意識を向けさえすれば見つけやすいものばかりです。

しかし気が付かないで進行すると、

  • 耳の毛が抜け、赤くなったり腫れたりする
  • 痒みから頭を振ったり、耳をこすりつけたりする
  • 痛さで耳を触らせない

など明らかに普通でない状態になっていきます。

外耳炎の治療の流れ

獣医師に保定されるサバトラ

1.耳垢の検査

まず黒っぽい耳垢があれば検査して、原因が耳ダニ・細菌・カビかどうかを判断します。

2.耳の洗浄

検査と同時に耳掃除をして耳の中(や耳全体)を清潔にします。

触らせないほど炎症が進んでいる場合は薬で炎症を抑えつつ、日数をかけて少しずつきれいにします。

3.耳ダニ・細菌・カビ(真菌)の場合

最も多い猫の外耳炎の原因はこの3つで、点耳薬や飲み薬で治していきます。

ただし、カビが原因の場合は完治に多少時間がかかります。

4.異物やアレルギー、腫瘍などの場合

細菌やカビの異常繁殖の背後には、他の原因が隠れている場合があります。

異物があれば取り除き、アレルギーなどの病気なら根本治療を行います。

外耳炎の予防は可能?

耳掃除をされるキジトラ白

外耳炎は猫種を問わずかかる可能性がありますが、スコティッシュホールドのような垂れ耳猫は耳の中が蒸れやすく、なりやすいといわれています。

ただし耳ダニに関しては、耳ダニを持った動物に接触しなければうつらないので、室内飼いならまずかかりません。

予防策は早期発見!具体的には病院での定期的な耳のメンテナンスです。

定期的な家庭でのお耳チェックもおすすめで、脱脂綿にクリーナーを付け、耳の穴を観察しつつ軽く拭いてあげるといいでしょう。

汚れを押し込んでしまったり、耳を余計に傷つけてしまうこともあるので綿棒は使わないようにしてくださいね。

まとめ

耳を獣医師に診察される猫

外耳炎は、どんな猫でもかかりますし、アレルギーや腫瘍など、難しい病気が隠れている場合もあります。

とはいえ耳を痒がる素振りをみせたり、耳垢やにおいが目立ったりなど、少しだけ耳に関心をもっていれば見つけやすい病気です。

気にして引っ掻き、可愛い猫耳が可哀想な状態にならないよう、早めに見つけてあげてくださいね。

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