ブドウ膜炎
「ブドウ膜」とは、猫の眼球の虹彩と毛様体、そして脈絡膜の総称です。この3つのうちのどれか、もしくは全てに炎症が起きた場合「ブドウ膜炎」と呼ばれます。炎症が起きる原因は、猫風邪や細菌、寄生虫、外傷などです。
白目部分の充血や瞳が小さくなる、目がしょぼしょぼする他に視力が低下するケースがあります。放置するとどんどん悪化していく恐れがあるので、異常を感じたら早めに動物病院へ連れていきましょう。
予防策としては、ブドウ膜炎の原因に愛猫が感染を防いだり、ケガをしないようにすることです。完全室内飼いにしていれば避けられる場合も多いので、外に出さないというのも予防策となります。
続発性緑内障
緑内障とは、眼球の内部を満たしている房水が何らかの理由で排出されなくなり、結果目の中の圧力が高まる病気のことです。眼圧が高まったことにより網膜の視神経が圧迫されて障害が起こり、視力低下や急速に失明することもあります。
飼い主さんが見て分かりやすい症状が出ない場合もあるため、注意が必要です。白目の充血や涙が出ている、角膜が白っぽくなるなどが見られたら、すぐ動物病院へいきましょう。
緑内障には3種類あり、「ブドウ膜炎」から続発して発症する「続発緑内障」が一般的ですが、その他にも目の疾患や高血圧症などが原因で起こる場合もあります。
他に「原発性緑内障」と「先天緑内障」があり、原発性は遺伝性が原因でバーミーズとシャム猫がかかりやすいです。
先天緑内障は生まれてからすぐに発症し、眼圧が高まるため、眼球が拡張してしまう「牛眼」となる恐れもあります。いずれにせよ愛猫の目が何かおかしいと感じたら、すぐ受診してください。
高血圧性網膜症
「高血圧性網膜症」は高齢の猫に多い病気です。全身性の高血圧がある場合、それが原因で目に障害が出てしまいます。また、腎臓病や甲状腺機能亢進症、糖尿病などの持病がある場合にも起こりやすいです。
眼底出血や網膜剥離、緑内障が見られることがあり、失明の恐れも。愛猫が急に目が見えないような様子を示したら、注意してください。
定期健診
猫の視力低下を予防するためにできることとして「定期健診」が挙げられます。1年に1回、もしくは半年に1回程度動物病院で健康診断を受けるのです。受ける頻度に関しては愛猫の体調や性格にも左右される部分があるため、かかりつけ医と相談するとよいでしょう。
視力低下は飼い主さんが気がつかない場合もあります。定期健診により体の隅々をチェックしてもらえば、早期発見につながり視力低下の予防になる可能性も。
もちろん目に関することだけでなく、その他の異常も見つかるかもしれません。愛猫の健康維持にプラスとなるので、飼い主さんも安心できるでしょう。
飼い主さんによる日頃のチェック
飼い主さんが愛猫の目を日頃からチェックしておくことで、異常の早期発見ができる場合も。直接眼球を見るだけでなく、行動にも注意しておきましょう。
今までできていたことができなってきたら、危険信号です。飼い主さんが触れたときに過剰に反応する場合も、視力が低下してきている可能性があります。今までと行動が異なってきていると感じたら、動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫の視力はあまりよくありませんがその分聴覚や嗅覚が発達しています。視力が低下しても問題なく生活できる場合も多いですが、できれば正常な目の機能を維持してあげたいものです。
何かしらの異常を感じたらすぐ動物病院に連れていき、獣医師の診察を受けましょう。