愛猫が甘えん坊で飼い主さんと密にコミュニケーションをとりたがる性格の場合は、飼い主さんとのスキンシップや遊びの不足のがストレスとなることがあります。そして、ストレスによって体調を崩してしまうこともあり、以下のような症状が見られることがあります。
1.食欲がなくなる
愛猫が急に食欲不振になってしまった場合に真っ先に考えられるのは何かしらの体の異常です。
しかし、構ってもらえないストレスから食欲がなくなってしまったり、下痢・嘔吐などをしてしまうこともあるようです。
また猫の場合、原因が何であれフードを充分に食べなくなってしまったことが原因で別の病気を引き起こしてしまうことがあります。
もしも愛猫の様子がいつもと違うようであれば、病院を受診することも考えたほうが良いでしょう。
2.トイレ以外の場所で粗相をしてしまう
それまではきちんとトイレを使えていた猫が、トイレ以外の場所で粗相をしてしまうようであれば、それはストレスによるもので、飼い主さんに「抗議」している可能性もあります。ストレスを抱えているために少しでも安心できる環境にしようと思い、マーキングとしてトイレ以外の場所に排泄をしてしまうことがあるのです。
ただ、猫は泌尿器系の病気やトイレが気に入らないせいでの排泄のトラブルも多く、猫が粗相をした時にストレスだけを原因として考えるべきではありません。
トイレ以外の場所で排泄をしてしまう時は、排泄の回数が増えていないか、排尿の姿勢をとるのに出ないことがないか、オシッコの色やニオイに変化はないかなどもチェックしましょう。
また、「トイレの猫砂を別のものに変えた」ということがあるならば「猫砂が気に入らない」という理由もトイレ以外の場所で排泄をするようになった原因として考えられます。トイレの大きさや形状、清潔さなども猫がそのトイレを気に入っているかどうかに影響しますので、健康上の問題と共にトイレに気に入らない点がないかどうかもチェックしましょう。
3.執拗にグルーミングする
猫が自分の体を舐める行為を「グルーミング」と呼びますが、これは自分の体を綺麗に保つためにする本能的な行動です。
ですが猫にとってのグルーミングは「綺麗にしておく」ためだけではなく、不安な気持ちを落ち着かせる時にもする行動だったりします。
もし一か所だけを執拗に舐めて脱毛してしまったりすることがあるなら、それは飼い主さんとのスキンシップ不足が原因になっていることもあるかもしれません。
ストレスによる過剰なグルーミングによる脱毛は、猫の口が届く範囲にだけ見られます。また、舐め過ぎることによって「皮膚炎」になってしまうこともありますので、早急な対策が必要です。
ただし、グルーミングのしすぎで皮膚炎を発症してしまうケースだけではなく、何らかの原因で皮膚炎になってしまったために痒かったり痛かったりして患部を過剰に舐めてしまうこともあります。また、猫の脱毛や皮膚炎の原因にはストレス以外のものが多くあり、ストレスによる脱毛・皮膚炎はそれらを全て否定することによって診断されるので、猫に脱毛や皮膚炎が見られたら、自己判断せずに獣医さんに診てもらいましょう。
いずれにせよ、はっきりしない場合は獣医さんに判断してもらうほうが良いでしょう。
4.愛猫にトラブルが起きてしまったら
飼い主さんとのスキンシップが不足していると、愛猫のストレスとなることがあります。
普段はどちらかというとドライな性格であったとしても、愛猫が求めてきたらそれに応えてあげたいものです。
また、猫が求めるスキンシップや遊びをするだけではなく、普段から体を撫でることを習慣化しておくことで病気などの早期発見につながることもあります。猫が嫌がらない程度に体のあらゆるところを触れてみましょう。
体を撫でることで病気などの早期発見につながることもあります。
「うちの子は1人でいるのが好きなのよ」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、猫の様子を普段からよく観察し、猫が触れ合いを求めた来た時には応えてあげ、調子が悪い時には出来るだけ早く気付いてあげられる飼い主さんでいられるといいですね。
まとめ
コロナ禍によって在宅勤務に切り替わった飼い主さんも多いかもしれませんが、猫は飼い主さんの仕事中にも「構って~」とアピールしてくることがありますよね。
ですが「今までは仕事で留守にしていた時間だし構わなくても大丈夫かな…」と、忙しさのあまり愛猫を放置してしまうこともあるかもしれません。
確かに飼い主さんが仕事に出ている時間は愛猫を構ってあげられませんが、「留守にしていて構ってあげられない」のと「近くにいるのに構ってあげない」のでは、猫によっては受け取り方が全く違うかもしれません。
「一緒にいるのに構ってもらえない」ことは愛猫によってはストレスの原因になり得るかもしれません。
飼い主さんも休憩の合間に愛猫に話しかけてあげるなど、愛猫がストレスを感じないような対策をすることが大切だと思います。
【補足】
どの程度構ってあげるのが良いかは猫の性格によって大きく違い、飼い主さんが構いすぎることが問題となることもあります。
コロナ禍において、人だけではなくペットのストレスも問題となっています。本記事のように「猫はもっと構って欲しいのに飼い主さんがあまり応えてあげられないこと」が猫のストレスとなる場合もありますが、逆に「今までは不在だった飼い主さんが四六時中家にいて、その変化に猫が戸惑っているケース」や「在宅勤務中の飼い主さんが猫を構いすぎて猫のストレスとなっているケース」も聞かれます。
また、在宅勤務中に飼い始めた猫や飼い主さんが家にいることが多い生活パターンに慣れた猫にとっては、飼い主さんの出勤日が増え長時間留守にすることがストレスとなるケースもあります。どんなケースにしても、生活の変化をできるだけ少なくしてあげるように、また変化が起きる時には出来るだけ少しずつの変化になるようにしてあげると良いと思います。