猫は犬に比べて忘れっぽい?『記憶』にまつわる4つの真相

猫は犬に比べて忘れっぽい?『記憶』にまつわる4つの真相

猫にはある不名誉な諺があります。本当に猫は忘れっぽいのでしょうか?今回は猫の記憶にまつわる真相と、犬の記憶力との比較について紹介いたします。

猫の記憶力ってどうなの?

勉強する猫

猫は「3年の恩を3日で忘れる」という諺がありますが、本当なのでしょうか?ここでは、猫の記憶力にまつわる驚きの真相を紹介いたします。

1.猫は短期記憶が優れている

猫は、一時的に記憶する短期記憶が優れています。それを証明した面白い実験があります。

  • 餌が入った箱のみランプを点灯する
  • ランプが点灯した箱には餌があると記憶させる
  • 16時間後に再検証

なんと猫は、16時間後も仕組みについて覚えていました。ちなみに犬は、5分経過した後に忘れてしまうという結果でした。

2.興味のないことは覚えない

同様の実験をおもちゃで検証したところ、短期記憶は10秒未満でした。つまり猫は、興味のないことは覚えないのです。食べ物の在処や確実に食べられる手段など、食事に関することは生きることに直結しています。本能的に、食にまつわる情報は重要視していると思われます。

3.「嫌なこと」「危険なこと」は覚えやすい

不機嫌な猫

人間は母の手料理の味や、楽しかったことなどを半永久的に覚えています。これが「長期記憶」と呼ばれるものです。猫は短期記憶が優れていると紹介しましたが、長期記憶も劣っているわけではありません。猫の場合は、特に嫌だったこと・危険な目に遭ったことなどをインプットする傾向にあります。

これは過酷な状況でも生き延びるためです。家猫の嫌な記憶としては、動物病院のにおいやしつこく構う人などの印象が残りやすいでしょう。

4.人のことを忘れることがある

飼い主さん自身の環境の変化により、猫を実家に残して離れることがあるでしょう。3年以上月日が経過してしまうと、忘れられてしまうことがあります。でも諦めることはありません。愛猫が好きだった遊びや、おやつを通して記憶を呼び覚ましましょう。猫は嬉しかった出来事も、しっかりと記憶に残しています。

犬VS猫!!記憶力が良いのはどっち?

犬と猫

餌を用いた短期記憶の実験では、猫のほうが優れているという結果になりました。でも犬と猫、どちらとも接したことのある方は、犬だって負けていないと思いますよね。ここからは、犬と猫の記憶力を比較してみたいと思います。

短期記憶は猫のほうが優れている

これは先ほどの実験通り、猫のほうが有利です。犬は芸を教える際も、その技自体はすぐに忘れてしまいます。お座り・お手などのしつけも難航する場合があるのです。

犬はエピソード記憶が強い

「エピソード記憶」とは長期記憶の1つです。シンプルにいうと、どこで・どのような出来事があり・どのような感情を抱いたかを記憶に残す能力です。

例えば、次の道を右に曲がると友達が住んでいることや、特定の行動を取るとおやつが貰えて嬉しいなどが挙げられます。しつけの話に戻りますが、犬に芸を教える時は美味しいという感情と結びつけることが大切なのです。

犬は記憶を上書きできる

笑う犬

人間と猫は、辛かった経験や嫌だったことをそう簡単には忘れません。猫の場合は生きるために強く残すことを紹介したと思います。犬の場合は悲しい記憶よりも嬉しい出来事を優先し、ネガティブな記憶の上にポジティブなものを上書きする能力を持っています。

例えば、過去に虐待された犬の場合、その後優しい飼い主さんに出会うことができれば楽しい思いのみが記憶されるということです。

犬も猫も恩は忘れない

記憶の上書き能力から、犬が恩を忘れないのは納得できますね。では、猫の場合はどうなのでしょう。猫も優しい人への恩は忘れません。毎日ご飯を用意してくれる人、トイレ掃除をしてくれる人には擦り寄って甘えるようになります。

どちらが優秀か一概にはいえない

犬と猫、どちらにも得意不得意があることが分かりました。これを見ると、単純に優劣は付けられませんよね。そもそも生活環境が異なる動物なので、何を重要視しているかによって能力が分かれているというような印象になります。

まとめ

猫と犬

猫はツンデレな性格から、犬よりも記憶力が悪いという趣旨の不名誉な諺が誕生してしまいました。しかし、実際には得意分野が違うだけであって、猫も記憶力が優れていることが分かりました。飼い主さんとの信頼関係も、大切な記憶の一部です。愛猫のワガママに付き合いながら、共に楽しい思い出をたくさん残してください。

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