猫の性格を決める要素
複数の猫と一緒に暮らしたことのある飼い主さんは、猫にもそれぞれの性格があり、とても個性豊かな動物だということをご存知だと思います。
これは、個々の猫の性格をよく把握した上でコミュニケーションをとる必要があるということです。
よく、黒猫は友好的な性格で、白猫は臆病な人見知りであるなど、猫の被毛の色と性格を結びつけた解説があります。
これは、脳の神経伝達物質の生成に猫の被毛を決定する遺伝子が関わっていることから、被毛が性格にも何らかの影響を及ぼしているのではないかと考えられているからです。
しかし実際には、猫の性格は遺伝や性別などの先天的な要因や、生まれ育った環境、これまでの経験などの後天的な要因が、複雑に絡み合って形作られています。
そのため、一概にこういう猫はこういう性格であると決めつけることはできません。
猫の性格に関しては、1980年代に複数の研究者によりさまざまな研究が行われました。
それらの研究の共通部分を集約すると、「大胆系(社交的・自信満々・楽天的)」と「小心系(臆病・非社交的・神経質)」の2つに分類されるようです。
猫の性格のタイプ
近年になり、流石に2つの分類では大まかすぎるだろうと、新たな分類法が提案されてきています。
複数の分類法が提示されていますが、最近の傾向では、5〜6個のタイプに分類されているものが多いようです。
今回は、その中から比較的わかりやすい分類をご紹介します。
1.末っ子のような甘えん坊タイプ
飼い主さんやご家族、一緒に暮らしている他の動物など、常に誰かと一緒に過ごしたがる、末っ子のような甘えん坊タイプの性格です。
ご家族の見送りや出迎えを積極的に行うなど、とにかく人と関わろうとして、アピールが多くなる傾向にあります。
しょっちゅう飼い主さんの足などに自分の体を擦り付けたり、舐めたりします。抱っこも好きです。逆に留守番は苦手かもしれません。
知育玩具を与えるなど、上手に留守番ができるような工夫をしてあげると良いでしょう。
2.長男長女的なおっとりタイプ
飼い主さんやご家族に対する愛情は深いのですが、それを強くアピールすることもなく、常におっとりとした態度で過ごすおとなしいタイプの性格です。
アピールがなくても、しっかりと愛情を注いであげてください。
あまり興奮して大きな声で鳴いたり激しく走り回ったりすることもないため、集合住宅などでの飼育にも適しています。
3.自律心が旺盛でマイペースなタイプ
自我を持っており、人に媚びることのないタイプの性格です。
常にマイペースな行動なので、飼い主さんはツンデレな印象を受けるかもしれません。
気が強く、自分の思いに忠実に行動するため、甘えん坊タイプとは異なる意味で、強いアピールをすることがあります。
クールな態度が多いですが、それは飼い主さんを信頼できると思っているから出てくる態度なので、しっかり愛情を注いであげてください。
4.好奇心旺盛で遊び好きなタイプ
知性が高く、飼い主さんやご家族などがしていることに対して常に興味を持ち、自分も一緒に参加しようとしたり、いたずらを仕掛けてきたりするタイプの性格です。
好奇心が強いだけではなく、運動量も多いためとても遊び好きです。
特に知恵を使うような複雑な遊びを好む傾向があるので、一緒に遊ぶ飼い主さんもおもちゃの使い方などに工夫を凝らし、刺激的な遊びにしてあげましょう。
5.社交的なタイプ
ご家族だけではなく、初対面の人や初めての動物などに対しても、広く積極的に自分から距離を縮めていける、猫には珍しく社交性を持っているタイプの性格です。
社会化期に複数の人や動物たちとの良い経験を積むことで、社会性が身につきます。
ご家族が多い、来客が多い、小さなお子様がおられるといった家庭などにも馴染みやすい性格の猫です。
6.環境適応力が高く誰にでも優しいタイプ
環境への適応力が高く、子どもなどからベタベタ触られても、比較的おとなしく接することができるタイプの性格です。
まだ小さなお子さんがおられるご家庭でも、イタズラに対してあまり怒ることもなく、飼いやすいように思われがちの性格です。
しかし、本当にストレスを感じていないわけではないので、決してケアが必要ないというわけではありませんので、注意が必要です。
まとめ
今回ご紹介した性格のタイプが、愛猫の性格を把握する際の参考になれば幸いです。
ただし、性格を決める要素のところで申し上げた通り、こういう猫はこういう性格だと、一概に断定できるものではありません。
また、それぞれのタイプの要素が、複数混在して、個々の猫の性格を作っています。
あらゆる角度から愛猫の性格や気持ちを汲み取ってあげてください。
飼い主さんのそういった行動が、愛猫とのより深い絆の形成につながっていくと思います。