ギネスで認定された世界最長寿の猫
猫の成長は、人とは比べ物にならないくらい早いのをご存知でしょうか。
猫の年齢を人間の年齢に換算する方法はいくつかありますが、一般的には最初の1年で人間の15歳相当に、次の1年で24歳相当に、その後は1年間で人間年齢の4歳分ずつ歳を重ねていくといわれています。
現在、ギネスブックに掲載されている世界最長寿の猫は、1967年8月3日生まれで2005年8月6日に亡くなった、テキサス州で飼われていたクレームパフという名のメス猫です。
亡くなったのは38歳ですから、先程の考え方で換算すると、人間の168歳に相当します。
ちなみに、クレームパフと一緒に飼われていた1964年生まれのスフィンクス、グランパ・レックス・アレンも、34歳でなくなったそうです。
このご家庭は、よほど猫たちにとって住心地の良い環境だったのでしょう。
日本の猫の平均寿命
では、日本で人と一緒に暮らしている猫たちの平均寿命はどのくらいなのでしょうか。
一般社団法人日本ペットフード協会が2020年に行った調査によると、猫全体の平均寿命は15.45歳でした。
2019年の同じ調査では15.03歳でしたので、平均寿命は長くなりました。
さらに過去の調査結果と比べても、猫の平均寿命は年々長くなっています。
また、2020年のこの調査では、家の外に出ない猫の平均寿命は16.13歳、家の外にも出る猫の平均寿命は13.57歳でした。
猫は外に出れば必然的に交通事故や感染症のリスクが高まります。
そのため、完全室内飼育の猫は外に自由に出られる猫よりも、元気に長生きできる可能性が高いといえるでしょう。
愛猫に長生きしてもらうための秘訣
それでは、愛猫に長生きしてもらうための秘訣をご紹介します。
1.室内飼育
前述の調査からも明らかなように、猫は完全室内飼育にすることで、感染症や事故のリスクを低減させることができ、長生きしてもらえる可能性が高まります。
外に出れば、猫同士のケンカや一部の心ない方から虐待を受けるといったリスクもあります。
猫にとっては、室内の環境を整えた上で、完全室内飼いにすることが長生きの秘訣だといえます。
2.定期健診
猫も人と同じように、些細なことが原因で免疫力が低下したり、加齢による影響でさまざまな病気を発症したりします。
若いうちは1年に1回、7歳以降のシニア期に入ったら、できれば1年に2回以上の総合的な健康診断を受けましょう。
血液検査だけではなく、年齢に応じて尿検査や各種画像検査を加えると良いです。
費用もかかりますので、最適な検査内容をその都度獣医師と相談しながら選ぶと良いでしょう。
3.食事
健康を支える基盤が食事だということは、人も猫も同じです。
愛猫に与えるフードはライフステージに適した栄養バランスで良質な物を選び、適正な方法で保存しましょう。
また、猫にとって禁忌なものや異物を誤飲させないようにする注意も大切です。
4.住環境
外に出した方が、猫は自由に暮らせると考える飼い主さんもおられます。
しかし、猫の習性を正しく知ることで、完全室内飼いの方がよりストレスフリーに過ごせることが分かっています。
室内は飼い主さんと愛猫が共有している双方の縄張りですので、それを意識して猫にとって暮らしやすい環境づくりを心掛けましょう。
5.刺激のある生活
どんなに安全で衛生的で猫の習性を考慮した環境であったとしても、刺激のない退屈な毎日は猫にとってとてもストレスフルであると言わざるを得ません。
愛猫と一緒に遊んだりコミュニケーションを図ったりするような時間を、毎日必ず設けてください。
できるだけワクワクドキドキできる、刺激的な暮らしをさせてあげましょう。
6.飼い主さんの観察
愛猫に長生きしてもらうための秘訣をいくつかご紹介してきましたが、最も大切なことは、飼い主さんが愛猫のわずかな変化もすぐに察知して、その都度適切な対処を行うことです。
そのためには、日頃から愛猫の様子をよく観察し、飲食量や排泄の様子、行動などに変化が見られたらすぐに異変を察知できるようになることが重要です。
そして、異変を感じた場合はご自身の感覚を信じて、速やかに動物病院に相談するようにしましょう。
まとめ
猫と人は、遠い昔にお互いに一緒に暮らしていく道を選び、ずっと一緒に暮らしてきました。
そのため、野生の頃の習性を色濃く残しているとはいえ、猫は人と一緒でなければ基本的には生きていけないようになりました。
そのことを十分に理解した上で、飼い主さんと愛猫が共に元気に、そして幸せに長く一緒に暮らせるように、私達人間が創意工夫を凝らしていく必要があるのではないでしょうか。