ドワーフィズムの主な原因
猫によく見られるドワーフィズムの原因は以下の通りです。
1.骨軟骨異形成症
2.先天性甲状腺機能低下症
3.下垂体前葉機能不全
他にも心臓病・腎臓病・門脈形成不全(内臓から肝臓に向かう静脈に問題がある病気)・ライソゾーム病(必要な酵素ができない病気)など、さまざまな原因で発育不全が起きます。
小猫症の症状
ドワーフィズムには2つの型があります。
以下で具体的に説明していきます。
「不均衡型」
「不均衡型」は顔のサイズは普通なのに四肢だけ短いのが特徴です。
代表例は「骨軟骨異形成症」。マンチカンなど短足系の猫がこれに当たります。
健康上の問題がないとはいえ、便秘や関節炎になりやすく、高いところからのジャンプに注意が必要です。
「均衡型」
均衡型は身体全体が小柄なタイプです。
代表例は前述の「先天性甲状腺機能低下症」と「下垂体前葉機能不全」で、どちらも成長や元気を司るホルモンに問題が生じて起こる病気です。
「先天性甲状腺機能低下症」の特徴は以下の通りです。
- 顔の横幅が広く、ずんぐりむっくりで四肢は短め
- 鳴き声は小さいかほとんど鳴かない
- 動きがゆっくり
- 急ぐときはぴょんぴょん飛び跳ねる
- 慢性的な便秘
また、「下垂体前葉機能不全」の特徴は以下の通りです。
- 全体的に小さい
- 被毛が少ない
- 子犬のようなキャンキャン鳴き
- 角膜の混濁
- 慢性腎不全
- 高い確率で甲状腺機能低下症を発症する
「小猫症」の治療方法は?
骨軟骨異形成症
特に治療方法はなく、関節炎や便秘などかかりやすい病気に常に気を配り、その都度対処します。
先天性甲状腺機能低下症
早い段階でホルモン療法を始めると、ある程度の成長が見込めます。
しかし他の病気を併発することも多いので、頻繁な健康チェックや定期健診と日々の観察が欠かせません。
下垂体前葉機能不全
発症はごくまれですが、ホルモン療法である程度の被毛や皮膚などの改善が望めます。
しかし下垂体は甲状腺など複数のホルモン分泌をコントロールする部位に当たります。体のコントロールの中枢となる部位の機能不全であるため病気の連鎖が起こりやすく、治療は「先天性甲状腺機能低下症」より大変です。
まとめ
「ドワーフ」とは北欧神話に登場する小柄なものづくり集団のこと。
その名前を拝借したドワーフィズム(小猫症)は、マンチカンのような遺伝的に脚が短い猫もその中に入りますが、その他の主な理由は先天性のホルモン異常です。
病気がちで治療にも世話にも莫大な労力がかかり、小さいうちに亡くなる猫も少なくないようです。
しかし子猫のような特殊な姿は愛らしく、頑張って生きる姿は他の猫と全く同じ。もし出会うことがあったなら、精一杯可愛がって育てたいですね。