猫のマッサージでツボを押すのはとても難しい
私は鍼灸師です。動物鍼灸という分野もあり、動物に針を打つ鍼灸師もいます。今でも警察犬や、競争馬などは、針を打っていると聞きます。韓国では馬医と言って、馬専門の医者が昔から存在し、馬に針を打って治していました。
猫にもツボがあります。よくいろいろな猫マッサージの本にツボと効能が書いてあります。
ただ、鍼灸師の立場から申し上げますと、上述しましたように、ツボというのは簡単に見つけられるものではありません。人間のツボでさえも、熟練の技術と天性の勘が必要なのですが、ましてや動物のツボとなると、大変難しいのです。
ですから、猫ちゃんのマッサージで、的確にツボを探してツボを押すというのは、一般の方にはまず無理なのです。
むしろツボの場所や押し方、強さなどわからずに押す事は猫ちゃんにとってとても不快でしかありません。場所によっては猫ちゃんの健康を害します。
効果的なのは愛情たっぷりの手の平で撫でること
故に、一般の方が猫ちゃんのマッサージを試みる時はツボ押しは意識されない事をお勧めします。ツボにこだわる押し方よりも遥かに効果があるのが、愛情たっぷりの手の平で撫でることです。もちろん指などで首など気持ちよく触ることも良いです。
とにかく大切なことは「心を込めて、愛情たっぷりの手当て」です。手を当てるだけで構いません。食欲がない猫ちゃんには、温かい手で優しく背中や、嫌がらなければお腹に手を当てるだけで良いのです。
その時に念じるのです。心を込めて念じるのです。「良くなるよ。大丈夫だよ。治るからね。安心してね。」猫ちゃんへの優しい愛の気持ちが、手の平から癒しの気となって、猫ちゃんの患部を癒します。これが一番のマッサージであり、医療です。
テクニックや道具にこだわることはありません。手の平に愛を込めて撫でてあげるだけでよいのです。
そして自分の手の平から癒しの病気を治す気が出ていることを深く信じ、念じます。これが実際の医療現場でも一番効くものです。
愛の心で愛猫を癒してあげましょう
みなさん、あなたの猫ちゃんのお母さんお父さんはあなたです。愛の心で、愛の気で、あなたの愛する猫ちゃんを癒してあげてください。
私は野良猫と仲が良いので、傷ついた野良猫をよく手当しています。心が伝わると、猫ちゃんも気を許して身体を預けてきます。いのちといのちの、交流ですね。
東京薬科大学卒業後、会社員を経て鍼灸師の道へ進む。「はりきゅう治療院源光」の院長・鍼灸師として活躍中。著書:「今度は私が助ける番」(本の泉社)2007年8月出版、「絆療法」(本の泉社)2008年4月出版、「鍼仙雲龍」(明窓出版)2014年11月出版
《公式HP》はりきゅう治療院 源光