猫にも『食物アレルギー』はある?症状や原因、予防法6つ

猫にも『食物アレルギー』はある?症状や原因、予防法6つ

寄生虫もいないし病気でもないのに愛猫が体を痒がっているという場合は、アレルギーが原因かもしれません。猫にも、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーによる皮膚炎があるのです。特に何か決まった食べ物を食べると症状が出る、嘔吐や下痢も起こるといった場合は、食物アレルギーの可能性が高いといえるでしょう。猫の食物アレルギーについて解説します。

387view

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

しきりにかゆがり嘔吐や下痢も続くなら食物アレルギーかも

痒がる猫

もしも愛猫が体、それも特に顔や耳、首あたりをかゆがり、寄生虫も病気も見つからない場合は、アレルギーが原因かもしれません。

アレルギーとは、本来は特別有害ではない物質に対して、免疫系のシステムが過敏に反応して攻撃を仕掛けてしまうために、かえって自らの身体を傷つけてしまう反応のことをいいます。

この過敏なアレルギー反応を起こす、原因となる物質をアレルゲンといいます。ほこりや花粉、カビといった吸入したアレルゲンに対するアレルギーで起こる皮膚炎をアトピー性皮膚炎といいます。

それとよく似た症状があらわれますが、特定の食べ物に含まれているタンパク質がアレルゲンとなる場合があります。これを「食物アレルギー」といいます。

猫の食物アレルギーの原因

食事する猫達

猫の食物アレルギーの原因となるアレルゲンは、食物の中に含まれるタンパク質です。

タンパク質なので、アレルゲンとなる食材の多くは肉、魚、乳製品です。

しかし、小麦や大豆、とうもろこし、白米にもタンパク質は含まれていますので、このような食材にも注意が必要です

食物アレルギーの場合、アレルゲンを見つけるのは決して簡単ではありません。

動物病院で獣医師と相談しながら、下記のような検査を行うことで根気よく特定していかなければなりません。

除去食試験
まず行うのが、除去食試験です。食物アレルギーの症状が出ていた時に与えていた食材を全て確認し、それらの食材を含まない食事に変更します。期間は約2ヵ月間です。そして、かゆみ、赤み、嘔吐、下痢といった症状が改善するかどうかを確認します。
食物負荷試験
除去食試験で症状の改善が見られた場合は、食物負荷試験に入ります。以前症状が出ていた時に与えていた食材を少しずつ与えて、症状がぶり返す食材を特定する試験です。ただし、この試験では症状をぶり返させますので、猫が掻き壊しを起こす等の強い反応を起こした場合には、抗アレルギー薬を併用することもあります。

これらの試験は時間も愛猫へのケアも必要ですし、動物病院と飼い主さんがしっかりとタッグを組まなければうまくいきません。

しかし今のところ、食物アレルギーのアレルゲンを正確に特定する方法は、この2つの検査を根気良く行うことしかありません。

猫の食物アレルギーの症状

必死に掻く猫

では、具体的に猫の食物アレルギーで現れる症状についてご説明します。

猫の食物アレルギーでは、体にとても強いかゆみが出ます。特に多いのは耳や顔などで、掻き壊してしまうほど年中掻きむしります。

そして、食物アレルギーに由来するアレルギー性の胃炎や、炎症性腸疾患(IBD)を発症します。これらの症状としては、食後数時間後に皮膚の赤みや発疹、また嘔吐や下痢といった症状が起こります。脱毛する場合もあります。

注意したいのは、食物アレルギーの場合は花粉などとは異なり、普段食べている食材がアレルゲンであるため、基本的には季節性が見られないということです。

これらの症状が見られた場合は、自己判断で「食物アレルギーだ」と決めつけずに、必ずかかりつけの動物病院で受診してください。

なぜならば、他の病気が原因で症状が現れている可能性も否定できないからです。

猫の食物アレルギーへの対策および予防法

家畜と猫

猫は体調を崩すことでアレルギーも起こしやすくなります。愛猫の健康管理とストレス管理をしっかり行いましょう。

また予防の大前提は、品質の良いフードを選び、正しい管理方法で保管することです。

一度アレルギーを起こすと、基本的にはそのタンパク質に対する反応は治りません。

そのため、食物アレルギーが疑われたら速やかに動物病院で受診してください。獣医師とタッグを組み、しっかりと対策をとりましょう。

よくいわれている対策は下記の通りです。必ず獣医師と相談しながら対策してください。

1.アレルゲンではないタンパク質が原材料の、良質のフードへの切り替え
2.市販の低アレルギーフードへの切り替え
3.人の食べ物を食べさせない
4.猫の口に入る可能性のあるものには、動物性素材を避ける
5.皮膚の再生やかゆみの軽減に効果が期待できるサプリメント等の利用
6.かゆみがひどい場合は、抗アレルギー薬の利用

まとめ

食事する猫

食物アレルギーは、一度発症すると基本的には治らず、一生きちんとコントロールをしてあげなければ、愛猫の生活の質を著しく落とすことになってしまいます。

飼い主さんは、ぜひ愛猫の日頃の行動をよく観察するように習慣付けてください。何か問題があった場合に、共通するきっかけがないかといった視点も大切です。

そして、もしも愛猫が食物アレルギーだと診断された場合は、獣医師としっかりとタッグを組んで、愛猫の生活の質を下げないようにさまざまな工夫をしてあげましょう。

スポンサーリンク