1.空気の動きをキャッチできなくなる
猫のヒゲにはさまざまな役目がありますが、その1つが「空気の動きをキャッチする」です。とても繊細な器官で、わずかな空気の流れも感じることができます。
これが何の役に立つかというと「獲物と敵の察知」です。猫の視力はさほどよくありませんが、ヒゲがあるために獲物が動くことでその場所を特定できます。
また敵も同様です。猫はよく寝る生き物で、一日の大半を寝て過ごします。そのため、もし足音もなく近づかれたら気づかないかも…ということが猫にはないのです。
なぜなら、たとえ敵が音もなく近づいてきたとしても、敏感なヒゲでその動きを察知できてしまうのです。音は消せても、空気の動きは消せませんから。
以上のことからもし猫のヒゲを切ってしまうと獲物も敵の動きがわからず、困ってしまうでしょう。特に野良猫は命に関わってくる可能性があります。
2.平衡感覚が狂ってしまう
猫はとても平衡感覚に優れていますが、あらゆる知覚のセンサーであるヒゲを切ってしまうとそのバランスが崩れてしまうかもしれない、という説があります。狭いところや高いところでも平然と歩く姿が見られなくなる恐れがあります。
自由に動けなくなった猫は、ストレスを感じてしまうでしょう。野良猫であれば狩りに影響が出るため、お腹を満たせなくなってしまうかもしれません。
3.空間認識ができなくなる
猫のヒゲは空間認識にも役立っています。どのくらいの幅があるのか、どんな形をしているのかがわかるのです。障害物も感知できるために、暗闇でもぶつからずに動けます。
もしヒゲがなくなったら、狭すぎる場所に突っかかってしまうかもしれません。また、移動する際に何かにぶつかる可能性もあります。猫はキレイな目を持っていますがそれほど視力がよいわけではないため、どちらかというとヒゲや聴力頼みなのです。
正常な動きができなくなる場合があるため、猫のヒゲは切ってはいけません。
4.目の保護ができなくなる
猫のヒゲは口の横にあるものだけではありません。目の上や前足にも生えています。よく見てみると目の上に、縦方向に複数本のヒゲ(触毛)が生えているのが見えるはずです。
それらは目の保護の役割も担っています。ゴミが入らないようにしたり、刺激を感じたときに目を閉じたりしているのです。もしカットしてしまったらキレイな目を保護できなくなり、困ってしまうでしょう。
5.感情表現がしずらくなる
猫はあまり表情がないといわれますが、実は体の細かい部分で感情表現をしています。しっぽや耳などを動かして、表しています。ヒゲもその1つ。
気がつきにくいかもしれませんが、感情に応じて意外と動いています。たとえば、リラックスしているときはヒゲもだらんと下を向いているのです。
おもちゃなど、興味があるものを見た場合はブワッと開き、前方向を向いています。おもちゃの情報を集めようとしているのでしょう。また、怖いときは顔にぺったりと沿う形になります。
猫のヒゲを切るとこのような感情表現が見られなくなってしまうため、飼い主さんは気分を判断しづらくなってしまうでしょう。
まとめ
猫のヒゲは猫の暮らしに非常に役立っている部分です。治療などで必要のない限りは、切らないようにしてあげましょう。