1.てんかん
激怒症候群とは、一部の犬種で認められている「突然の攻撃性」を特徴とする症状の総称です。近年、犬の激怒症候群と同じ特徴の症状を持つ猫に対しても、この診断が下される例が出てきています。
激怒症候群の原因は「てんかん」ではないか、といわれています。てんかんは脳の神経細胞に流れる電気信号の過剰発生で起きる病気です。
猫における激怒症候群は確認されてはいるものの件数が少ないため、研究がそれほど進んでいないという現状があります。
2.トキソプラズマ
激怒症候群の考えられる原因のもう1つに「トキソプラズマ」があります。人が感染すると性格が変わってしまうことがあるといわれている、あの脳に寄生する寄生虫です。猫の糞や土の中にいる場合があり、妊婦さんが感染すると流産など胎児に危険が及んでしまいます。
近年、人における「コントロール不能な突然の激怒症状」に、猫のトキソプラズマ感染が関係しているかもしれない、という研究結果が明らかになりました。
同じことが猫で起きるかどうかは不明ですが、愛猫にもし激怒症候群の疑いがあれば、まずは動物病院で相談してみましょう。
3.原因不明
前述しましたが、猫の激怒症候群の原因はまだ確定されていません。今後研究が進んでいけばはっきりしてくる可能性はあります。激怒症候群というのは病名ではなく、原因不明で突如として凶暴になる症状のことを指しているのです。
ですから、もしかすると今は激怒症候群と呼ばれている中でも原因によって病名が決まり、細分化していくかもしれません。ただ現段階では、原因は不明というしかないのです。
激怒症候群の特徴
猫が攻撃的になると「もしかして…?」と思うかもしれませんが、いくつか見極める特徴があります。まず、激怒症候群の場合はある日突然、攻撃的になるのです。攻撃のきっかけも一定していません。
猫が攻撃体勢に入る場合、通常であれば威嚇をしますが、それなしにいきなり飛びかかってきます。また必ずではありませんが、眠りが浅いときに起きやすい特徴も。このような症状があれば、激怒症候群の可能性があるでしょう。
治療法は投薬
激怒症候群の治療は、基本的には「投薬」になるでしょう。診断の結果てんかんがあれば抗てんかん薬が処方されるでしょうし、もしトキソプラズマがあればその治療薬を飲ませる可能性があります。その猫それぞれで治療法は変わってきますので、疑いがある場合はまず、かかりつけ医に相談してください。
まとめ
愛猫が突然攻撃してきたら戸惑うし怖いし、どうしたらよいかわからなくなりそうです。「何か怒らせるようなことしたかな?」と思ってしまいそうですが、実は激怒症候群だったということもあるでしょう。ですから慌てず騒がず、冷静にかかりつけ医に相談してみてください。
解決の糸口が、見えてくるかもしれません。