猫と人の歴史
人間にとって猫が身近な存在になり始めたのは、約9500年前。まだ家畜化される前のリビアヤマネコが、人間に接近したことがきっかけです。
キプロス島の遺跡からは、人間の遺骨と共にネコ科動物の遺骨も見つかりました。大切に葬られていたことから、既に9500前から特別な存在として共存していたことが伺えます。
猫は賢く、常に効率の良さを求める動物です。ハンターとしてネズミを狩る役割を担い、その報酬として安全な住処や食糧を得ていたのでしょう。
人間の生活に溶け込んだリビアヤマネコは、やがてイエネコとして家畜化し、ワーキングキャットとして必要不可欠な存在になりました。
現代人にとって猫とは?
現代人にとっても、猫は大切なパートナーです。しかしそれは、家畜としてではありません。
今を生きる人々と猫は、どのような繋がりなのでしょうか。猫好きさんはなぜ、猫無しには生きられないと感じるのでしょうか。
1.癒し
ストレス社会を生き抜く現代人は癒しを求めています。猫は癒しの宝庫です。
ふわふわした被毛は、撫でるだけで「オキシトシン」の分泌を促してくれます。これは「幸せホルモン」と呼ばれ、リラックス効果が得られるものです。
猫も人に撫でられることで、同様の現象が起こります。お互いに癒しの存在なのです。
2.大切な家族
家庭で暮らす現代っ子の猫達は、もうワーキングキャットではありません。時々家に侵入した虫を退治することはありますが、本業として報酬を得ることはなくなりました。
現代では家族の一員として、かけがえのない存在になっています。
3.子どもの「きょうだい」になってくれる
猫がいるご家庭で赤ちゃんが誕生すると、兄や姉のような存在になってくれることがあります。
遊び相手になってくれたり、眠る子をそっと見守ってくれるようです。頼もしいですね。
大人であればとっくに怒っているであろう場面でも、子どもには寛容です。愛猫のストレスケアをしっかり行えば、攻撃的な行動は取りません。
猫と共に成長した子どもは優しい子に育ってくれます。相手の気持ちを推し量る能力が身につきやすいのです。
4.心を支えてくれる親友
猫は人間を「体の大きな猫」と認識しており、友達のように思っています。人間との間に上下関係はなく、基本的には横の繋がりです。
ところで、猫に日常の愚痴を話すと心が軽くなることはありませんか。猫は何も言わず、黙って聞いてくれるからこそ何でも打ち明けることができるのです。
まるで、何でも話せる親友のような存在になってくれます。
家猫には人間が必要不可欠!!
完全に家猫として生活している猫には、人間の存在が必要不可欠です。本能的に狩りをしようとしても、その成功率は極めて低くなります。その日の食事すら満足に得られないのです。
食事を用意してくれる、身の回りのお世話をしてくれる、トイレを掃除してくれる、いわばおかあさん的存在が欠かせないのです。
先ほど横のつながりと紹介しましたが、気分によっては子猫として甘えてくることがあります。愛猫が子猫モードになっているときは、好きなだけ甘えさせてあげましょう。
まとめ
はるか昔から、猫と人は良きパートナーでした。その関係性は今でも変わらずに続いています。
しかし、その意味合いは変化しています。現代人にとって猫は、心の繋がりを求める存在です。1度猫の魅力に気づいた人間は、猫が必要不可欠な存在になってしまいます。
もしかすると、これも猫の策略なのかもしれませんね。家畜として生きるより、家族として溶け込むほうがのんびり過ごすことができるでしょう。
狩りをするイエネコが、より人間じみた行動を取り馴染んで行く。猫の進化はこの先どうなっていくのでしょうか。楽しみですね。
1つ確かなことは、お互いに「居なくてはならない存在」という部分は変わらないということでしょう。