猫の親和行動
相手に対して親しみを込めた行動を「親和行動」といいます。愛情表現のようなものですね。これは、仲の良い猫同士でも見られます。
ここでは、5つの親和行動を紹介いたします。本当に親愛の表現なの?と不思議に思うものもあるかもしれません。
1.毛繕いをしてあげる
猫にとって毛繕いは大切な日課です。基本的には自分でやるのですが、全身を満遍なく綺麗にすることはできません。
そこで親しい猫同士では「アログルーミング」というサポートをします。お互いに毛繕いを補ってあげるのです。敵意があれば噛みつくことも可能な距離感になるため、信頼していなければできない行動です。
2.においの情報交換をする
猫同士で体を擦り付け合ったり、すれ違いざまにわざと接触するような行動を見かけたことはありませんか。
これは「アロラビング」といって、においの情報交換をしています。同居している猫同士であれば、お互いにパトロールした区域に異常がないことなどを報告しているのです。
この行動も体が密着するため、強い信頼関係がなければ怖くてできないでしょう。
3.喧嘩ごっこをする
多頭飼育をしていると、突然取っ組み合いが始まって戸惑うことがあるでしょう。でも、大丈夫です。これは単なる喧嘩ごっこ。幼児が遊びの一環でちょっかいを出し合う感覚に似ています。
一見暴力に見える猫パンチも、よく見ると爪を出していないことがわかります。本気で攻撃する意思は無いので見守ってあげましょう。
あまりに白熱している際は、床やテーブルをトントンと叩いて気を逸らすように仕向けてください。
4.追いかけっこをする
追いかけっこをするのも遊びの一環です。交互に追いかけ合っているだけであれば、特に問題ありません。喧嘩ごっこのときと同様に、見守ってあげましょう。
ただし、いつも決まった猫だけが一方的に追われているのは遊びとはいえません。この場合も床を叩いたり、袋でカサカサ音を立ててやめるように仕向けましょう。
5.さり気なくそばにいる
猫団子を作って眠るほどの親密さはなくても、さり気なく一緒にいることが多いのであれば仲良しといえるでしょう。
猫は縄張り意識が強い動物なので、縄張りを共有している時点で相手を信頼していることになります。
喧嘩ごっこの注意点
喧嘩ごっこは、あくまでもお互いに面白がっていることが前提です。怯えている猫がいる場合や、威嚇や睨み合いが続くのはごっこ遊びとはいえません。
物音を立ててもやめなければ、下敷きやダンボールなど衝立にして視界を遮りましょう。重要なのは、中立的な立場をキープすることです。
また、遊んでいるつもりでも怪我をしてしまうことがあります。特に目を痛めているようであれば、念の為診察を受けるようにしてください。
まとめ
爪を立てない猫パンチや、追いかけっこも大切な親和行動です。特に新入りの猫にとっては、距離感や力加減を学ぶ重要な機会になります。
本気で攻撃することがない限りは、あまりタッチしないほうが良いでしょう。猫同士のことは猫にしか分かりません。
悪気がなくても怪我をすることはあります。愛猫がよく喧嘩ごっこをするご家庭では、お昼寝タイムのときに怪我のチェックをしましょう。
細かい引っ掻き傷程度であれば自然治癒することが多いので、経過を監察すれば大丈夫です。傷が深い場合や治らない場合、明らかに異変がある場合は診察を受けてください。人間用の薬や消毒液の使用は控えましょう。