1.猫も視力が低下するの?
猫は野生時代、ネズミや鳥など動きの早い獲物を見事に捕まえていました。
オモチャを素早く動かしても、しっかり目で追っていますよね。
猫は、対象物にピントを合わせる機能が発達しているため、「動体視力」は人間よりも優れているのです。
そのため、猫は視力が良いと思われがちですが、実際の視力は0.1~0.2ほどで、決して良い訳ではありません。
そして猫も人間同様、病気などで視力が低下してしまうことがあります。
今回は、その原因となる病気を見ていきましょう。
1.高血圧性網膜症
腎不全や甲状腺機能亢進症などの高血圧が原因で発症します。
眼球の血管はとても細く、高血圧になると網膜の血管が損傷し、視力低下を引き起こします。
網膜剥離の原因にもなる症状で、放っておくと失明の危険があるため、注意が必要です。
2.ブドウ膜炎
目の組織のうち「虹彩」「毛様体」「脈絡膜」を総称して「ブドウ膜」と呼びます。
「ブドウ膜」には毛細血管が広がり、水晶体や硝子体などの血管がない組織に栄養を与えています。
この「ブドウ膜」に炎症が起きることを「ブドウ膜炎」と呼び、外傷性や感染性など、原因は様々です。
3.白内障
白内障は、眼球の中にある水晶体と呼ばれる器官が何らかの原因で変性し、水晶体が白く濁ってしまう病気です。
進行するにつれ濁りが強くなり、視力低下を引き起こします。
外傷や水晶体の損傷などが原因ですが、ペルシャやヒマラヤンなどの猫種は、遺伝的に白内障を発症しやすいと言われています。
4.緑内障
緑内障は、「房水」と呼ばれる液体が排出されずに眼球の中に過剰に溜まり、眼圧が高くなることにより発症します。
眼球の腫れや強い痛みが現れ、症状が進行すると、眼内出血を引き起こし、視力が低下する原因となります。
2.兆候は?
猫の視力が低下していると、下記のような兆候が見られます。
飼い主さんは、日頃から愛猫をよく観察し、些細な変化も見逃さないようにしましょう。
- あまり動こうとしない
- 寝ている時間が増えた
- ジャンプを失敗するようになった
- 物にぶつかるようになった
- しきりと目を気にする
- 目やにや涙が増えた
- 音に敏感になった
3.予防策は?
高血圧性網膜症は高血圧が原因で発症するため、こまめに血圧を測定することが予防策の1つです。
損傷の程度が軽度であれば回復の可能性が高いため、少しでも目に異常があったら早めに病院で診てもらいましょう。
ブドウ膜炎は猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスの感染で発症する可能性があります、
ワクチンを接種することで、これらの感染症による発症リスクを減らすことはできます。
また、外傷性によるブドウ膜炎を防ぐには完全室内飼いにし、他の猫との接触を減らすことが有効です。
緑内障や白内障は予防が困難ですが、初期段階で発見できれば改善できたり症状を遅らせることができます。
早い段階で治療することが重要なのです。
まとめ
いかがでしたか?愛する猫にはいつまでも健康でいてほしいですよね。
そのためには飼い主さんがいち早く異変に気づき、対処してあげることが大切です。
目の状態だけではなく、猫の行動からも異変を察知することはできます。ぜひ参考にしてみて下さいね。