巷でよく聞く『猫吸い』とは?やり過ぎが招くトラブル3つ!

巷でよく聞く『猫吸い』とは?やり過ぎが招くトラブル3つ!

皆さんは「猫吸い」をしたことがありますか?猫を飼っている方なら経験したことがあるのではないでしょうか。ですが「猫吸い」には隠されたトラブルがあるんです!本記事では過度な「猫吸い」が招く可能性のあるトラブルについてご紹介したいと思います。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.「猫吸い」って何?

お腹を見せる猫

聞いたことはあっても実際に見たことのない方は「猫を吸うの?」と疑問に思われるかも知れませんが、実際に猫のお腹や胸などのニオイを吸うことを「猫吸い」と言います。

モフモフのお腹に顔を埋めるだけでも幸せですが、とても可愛い愛猫から良いニオイがするとなれば「猫吸い」をしたことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

ただし「猫吸い」をすることで思わぬトラブルを引き起こしてしまう場合もあるんです。

過度な「猫吸い」が招いてしまうトラブルを以下でご紹介したいと思います。

2.猫の皮膚や糞を介して病気に感染する可能性がある

悲しそうな猫

「猫吸い」をしたことで飼い主さんが感染してしまう病気が存在します。猫の糞を介した「トキソプラズマ症」「回虫症」「Q熱(コクシエラ症)」「サルモネラ症」など様々な感染症を引き起こす可能性があります。

猫は綺麗好きで1日の多くの時間を毛づくろいに費やします。そのため「猫は綺麗なんだ」と誤解してしまう方も多いようですが、実はそこに落とし穴があるんです。

猫も生きていますから当然毎日排泄をします。そして排泄したあとにおしりを舐めて綺麗にします。その時に舌に付着した汚れが毛づくろいで他の場所についてしまうことがあります。

一見健康そうであっても、「猫は無症状だけど、人にとっては危険な病原体」を持っている可能性があるのです!

他にも猫に飼い主さんの皮膚が密着することで「皮膚真菌症」や「疥癬(かいせん)」などに感染するケースもあるようです。

3.嫌がった猫が噛んだり引っ掻くことで病気に感染する可能性がある

不機嫌な猫

猫がその気にならないタイミングだったり、もともと過度なスキンシップを好まない場合には嫌がって飼い主さんを噛んだり引っ掻くこともあります。

そういった場合に猫の口や爪を介して「パスツレラ症」や「猫ひっかき病」といった細菌感染症を引き起こしてしまうこともあるんです。

猫からの感染症の中には重症の場合に死亡する例もあるため、特に気を付けなければいけないのが体力が落ちている方や持病がある方、お子さん、高齢者の方です。

「猫吸い」を初めてしようと思っている方は、愛猫がこういったスキンシップを嫌がる性格であるかどうか見極める必要もありますね。

4.猫にストレスがかかる

不満な猫

もちろん「猫吸い」をするということは猫自身のストレスに繋がることもあります。長時間動きを制限されることや人間の顔が触れること自体を嫌う猫もいるからです。

また「触られるのも抱っこも好きだけどお腹だけはイヤ」というケースもあります。そのため「猫吸い」をする前に愛猫がどういったことを嫌がるかを知らなければなりません。

過度なスキンシップを好まない猫からすると迷惑に思われる可能性もありますので、信頼関係にヒビが入ってしまわないためにも、愛猫の気持ちを尊重することも大切になってくるのではないでしょうか。

まとめ

猫のお腹

モフモフのお腹が魅力的な「猫吸い」は飼い主さんにとって猫への愛情表現であることに違いはないでしょう。ですが猫のほうもそれをきちんと理解しているかどうかは分かりません。

また「猫吸い」には様々な感染症を引き起こしてしまうリスクがあるということを知っておいてください。これはどんな飼い主さんにも起こり得る可能性があります。

どうしてもやる場合には愛猫が健康であることを確認し、見た目に健康であっても人間にとって病気のリスクがある可能性を認識した上で、自分の家で飼われている以外の野良猫などにはしないようにしてくださいね。

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