飼い猫はいつまでも子猫気分が残ったまま
猫と飼い主さんの間には、母子のような絆が結ばれていることが裏付けられました。
人と一緒に暮らすことで、自立する必要がないだけでなく、実際の感情としても飼い主さんのことを母猫のように思っているのです。
猫は、誰が相手であっても猫同士のような方法でコミュニケーションを図ります。そのため、時々子猫が母猫にするような仕草を飼い主さんに示すことがあります。それはそのまま、甘えの仕草だと解釈できるでしょう。
今回は、猫が飼い主さんに甘えたい時に示す仕草をご紹介します。
猫が飼い主に見せる甘える仕草
1.しっぽをピンと上に立てる
子猫が母猫に近づく時には、しっぽをピンと上に立てます。同じ様な状態で近寄ってきた時は、とても機嫌が良く、飼い主さんに構ってもらいたいという気持ちの時です。
そもそも、相手のことを信頼していなければしっぽを上に立てるということはしません。こういう時にはスキンシップを取ってあげてください。
ただし、長時間撫ですぎると嫌がって攻撃行動に転じることがありますので、適度なところで切り上げましょう。
2.体の柔らかい部分を前足でふみふみする
飼い主さんのお腹などの柔らかい部分を前足でふみふみするのは、子猫時代に母猫の母乳を飲む時にしていた仕草です。飼い主さんの洋服に吸い付きながらふみふみをする猫もいます。
この時の猫は、とてもリラックスしていて甘えたい気分です。包み込むように優しく撫でてあげると、喉をゴロゴロ鳴らす子もいます。
3.頭をコツンとぶつけてくる
飼い主さんにそっと近づき、自分の頭をコツンとぶつけてきて、グリグリとこすりつけてくることがあります。これは、猫同士の挨拶に当たる行為です。猫の顔には、その猫独特のニオイを出す腺があり、それをこすりつけて自分の仲間だと印を付けるのです。
気持ちとしては、母猫に甘えている状態なので、優しく受け入れてあげましょう。
4.体を擦り付けてくる
特に外出先から帰宅したときなどに猫がよく見せる行動です。先程の頭をコツンとぶつけてくるのと同様に、自分のニオイを相手に付ける挨拶行動です。
外出先で自分の知らないニオイをつけて帰宅した飼い主さんに自分のニオイをつけて安心するために必要な行為なので、これも受け入れてあげましょう。
5.体に乗ってくる
子猫が母猫の体に自分の体を預けている時と同じ様に、飼い主さんのことを信頼しきって自分の体を飼い主さんにすっかり預けている状態だと言えるでしょう。
飼い主さんの体が暖かくて柔らかいから気持ちがいいということもあるかもしれませんが、そもそも不安定な体の上に乗るということは、完全に飼い主さんのことを信頼し、甘えていると考えられます。
6.鳴く
本来、ごく一部の場合を除き、成猫同士では鳴き声によるコミュニケーションはあまりとられません。しかし、子猫は母猫に対して鳴くことで自分の存在を知らせてコミュニケーションを図ります。
人のコミュニケーションの多くは言語に頼っていますので、猫は飼い主さんとのコミュニケーションに鳴き声が有効だと認識しているようです。そして、飼い猫と飼い主さんの間にだけ通じる独自のコミュニケーションを生み出します。
一見甘えているようで違うことも
一見すると甘えている時と同じ行動に見えて、実は裏に不安が隠れている場合があります。猫が自分の不安を紛らわせるために甘える時と同じ行動をとるのです。
本当に猫が甘えているときには、全身の体の力が抜けて、脱力した状態で見るからにリラックスしています。時には目を閉じて気持ちよさそうにしていることもあります。しかし、不安を紛らわそうとしている場合は、体のどこかに緊張が残っています。
また猫が高齢で、必要以上に甘えてきたり、昼夜逆転したような時間帯だったりする場合は、認知症の可能性もあります。一度動物病院に相談してみましょう。
まとめ
飼い主さんと飼い猫との間には、母と子のような感情の絆が生まれ、飼い猫はいつまでも子猫気分が抜けきらない状態で一生を終えることになります。さらに、加齢と共に甘えん坊になっていく猫も多いようです。
人間も歳を重ねるにつれ、その人本来の性格が強化されていく傾向がありますので、加齢と共に猫が甘えん坊になっていくのも、自然なことなのかもしれません。
しかし、あまりにも度を越している場合は、認知症の可能性も疑えます。
必要に応じて動物病院で相談しながら、最期まで愛猫のケアを続けてあげてください。