死因を知ることの意味
愛猫を健康で長生きさせたいと考えるならば、猫に多い死因を知ることには大きな意味があるといえます。
猫の命に関わる病気として、どういう病気に気を付ければよいのかが分かるからです。世代別で多い死因が分かれば、世代ごとに注意すべき病気が分かります。
人間の場合は、死亡した後に役所に届け出をする義務があり、ほぼ正確な情報が集まる仕掛けがありますが、猫に関してはそうはいきません。
しかし条件的な偏りはあるものの、ペット保険会社には情報が集まります。また、その情報を公表している会社も存在します。
今回は、あるペット保険会社が2017年に公開した情報をベースに、猫の世代を代表する4つの4つの年齢における5大死因を紹介します。
また、気付いたら手の施しようがなかったということを防ぐための対策もご紹介します。
病気の分類
今回参考にした保険会社では、病気を下記の19に分類していました。その中から、「その他」を除いた病気による死因の上位5つをご紹介します。
循環器:循環器系の疾患
呼吸器:呼吸器系の疾患
消化器:消化器系の疾患
肝胆膵:肝・胆道系および膵の疾患
泌尿器:泌尿器の疾患
生殖器:生殖器系の疾患
神経:神経系の疾患
眼:眼および付属機の疾患
耳:耳の疾患
歯:歯および口腔の疾患
筋骨格:筋骨格系の疾患
皮膚:皮膚の疾患
血液:血液および造血器の疾患
内分泌:内分泌および代謝疾患
感染症:感染症
寄生虫:寄生虫症(原虫症含む)
損傷:損傷、中毒およびその他の外因の影響
腫瘍:腫瘍疾患
その他:上記に分類されない症状や異常検査所見のもの
年齢ごとの猫の死亡原因上位5疾患
0歳
1位:感染症 43.8%
2位:呼吸器 10.0%
3位:消化器 06.2%
4位:循環器 03.3%
5位:血液 02.9%
5歳
1位:泌尿器 38.1%
2位:循環器 16.7%
2位:腫瘍 16.7%
4位:血液 09.5%
5位:呼吸器 04.7%
10歳
1位:泌尿器 23.4%
1位:腫瘍 23.4%
3位:呼吸器 11.6%
4位:循環器 07.8%
5位:肝胆膵 05.2%
12歳以上
1位:泌尿器 32.7%
2位:腫瘍 15.9%
3位:呼吸器 08.5%
4位:循環器 05.7%
5位:内分泌 04.9%
愛猫の病気を早期に発見するための対策
1.感染症と寄生虫の予防
特定の感染症は定期的なワクチン接種で、また寄生虫感染症も定期的な投薬で予防できます。また、繁殖する予定がない場合は、避妊・去勢手術で予防できる病気もあります。
予防できる病気に関しては、積極的に動物病院に通い、予防に努めましょう。
またいざという時のために、信頼できるかかりつけの動物病院を作っておくことを心掛けましょう。
2.定期的な健康診断
定期的なワクチン接種だけではなく、定期的な健康診断を受けることをおすすめします。
基本は1年に1回、触診や血液検査だけではなく、X線検査や超音波検査、尿検査、便検査等も含めた総合的な健康診断を受けさせましょう。
また、シニア期に入ったら、1年に2回以上の受診をおすすめします。
3.愛猫の健康観察記録
猫は泌尿器系の病気に罹りやすく、またこの病気は猫の寿命を大きく左右するものです。
そのため、歯磨き、ブラッシング、爪切りなどの日常的なお手入れと共に、飲水量、排尿量、食事量、便の量についての日々の記録を付けておくことをおすすめします。
また、定期的に体重も記録しておくと良いでしょう。
健康な頃からこれらの数値を把握しておくことで、飲水量や尿量のちょっとした変化にも気付きやすくなり、病気の兆候を早期に発見することに繋がります。
まとめ
猫は、自分が辛かったり痛かったりしても、なかなかそれを表には出しません。とても我慢強い動物なのです。
そのため、飼い主さんがどんなに愛猫を大切に思っていても、気付いたら重い病気がかなり進行している状態だったということになりかねません。
そのようなことになってしまったら、飼い主さんは後悔してもしきれないでしょう。
後悔しないためにも、猫に多い病気やその特徴を知り、しっかりと愛猫の日々の健康管理を行いましょう。今回ご紹介した3つの対策は、必ず愛猫の健康管理の役に立つはずです。