『初夏の夏バテ』に要注意〜猫の暑さ対策のポイント3つ

『初夏の夏バテ』に要注意〜猫の暑さ対策のポイント3つ

猫は体温調節が苦手な動物と言われていますが、犬と比べると熱中症の発症率はあまり高くありません。しかし、5〜6月頃のまだ夏の盛りになる前の時期から夏バテになることがあるので注意することをおすすめします。もちろん、盛夏での熱中症も油断は大敵です。猫への暑さ対策について解説します。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

体温調節が苦手な猫

グルーミングする猫

猫は人間のように全身で汗をかけず、犬のように日常的にパンティング(口呼吸)を行わないので、体温調整が苦手な動物と言われています。

汗をかいたり、パンティングをするというのは、水分が蒸発する時の気化熱を利用して体温を下げるための方法です。

犬や猫が汗をかける場所は、肉球と鼻先だけです。そのため、暑くて全身から汗を流すということはありません。

ただし犬は、日常的に口を開けて舌を出して行う荒い呼吸のパンティングにより、口や鼻の粘膜から蒸発する気化熱を利用して体温を調節できます。

猫は、暑い時にしきりにグルーミングをすることがあります。これは、被毛を舐めることで体表に唾液を付け、それが蒸発した時の気化熱で体温を下げるためです。

しかし、なんとも非効率だということは否めないでしょう。

猫の夏バテとは

ぐったりした猫

イエネコの祖先であったリビアヤマネコは、アフリカの出身ですので犬と比べると暑さに強いと思われています。

また、猫は平面ではなく立体的な移動が得意なこともあり、家の中でもっとも居心地の良い涼しい場所を見つける天才です。

そのためか、熱中症で動物病院に来院するのは、猫よりも犬の方が圧倒的に多いというのが現状です。

しかし、5〜6月頃の夏本番前の夏バテで体調を崩しやすくなるのは犬も猫も同じです。

夏バテになると、食欲不振や嘔吐などが見られやすくなるのでまだ夏の盛りではなくても、愛猫にこのような症状が多くなったという場合は夏バテを疑い、動物病院で受診することをおすすめします。

暑さ対策のポイント

1. 温度と湿度の関係

エアコンの真下にいる猫

犬と比べると暑さには強いと思われがちですが暑すぎには要注意。

人間が過ごしやすい気温が、猫にとっても過ごしやすい気温の目安になると考えても良いでしょう。

また、夏バテや熱中症の予防には、温度だけではなく湿度も重要です。除湿機等で、湿度が60%以下の状態を維持できるように工夫してください。

湿度が高いと、グルーミングをしても唾液が蒸発しづらくなり、体温を下げる効率が下がります。

2. 自由に動けるようにさせておくこと

居心地よい場所

飼い主さんの在宅中だけでなく、猫に留守番をさせる時も猫を自由にさせておきましょう。

猫は、床の上だけではなく、棚の上や家具の隙間、玄関、日陰で涼しい場所など、家中のありとあらゆる場所からもっとも涼しくて居心地の良い場所を探し出し、そこで過ごします。

しかし、いくらエアコンを点けたままにしたからといっても、ケージの中等に閉じ込めたままだと、停電や冷え過ぎなどの万が一の場合でも避難できません。

室内の安全を確認した上で、空調を調整し猫を自由にさせて留守番させられる環境を整備しましょう。

3.水分補給

脱水を防ぐため、いつでもきれいで新鮮な水を飲めるように、猫の行動範囲の複数箇所に水を設置しておきましょう。

また、自分から進んであまり水を飲まない猫の場合は、ウェットフードの比率を多くする等により、水分補給の方法を工夫してみましょう。

調子が悪そうな時の対処

診察される猫

冒頭でお話ししたように、通常猫は鼻でしか呼吸をしません。そのため、猫がパンティングをしている時は、かなり状態が良くない時です。

万が一、気づいたら愛猫が苦しそうに口を開けて呼吸をしているという場合は、すぐに水道水で濡らしたタオルで体を包み、風を当ててください。タオルの水が蒸発する気化熱で、体温を下げるのです。その上で、動物病院につれていき、診てもらいましょう。

できれば事前に電話等で状態を説明し、指示を仰ぐと安心です。

まとめ

扇子や団扇と一緒に眠る三毛猫

比較的暑さに強いと思われている猫ですが、夏バテ、熱中症に注意しましょう。

一方で、猫は居心地の良い涼しい場所を見つける天才です。その能力を活かせるよう、留守番をさせる場合も猫を自由にさせておきましょう。その上で、温度と湿度の管理をしっかりと行ってください。

夏の盛りの暑さ対策は多くの飼い主さんが気をつけますが、その前の初夏の段階から猫の夏バテは始まります。

猫の様子を日頃からよく観察し、体調の変化に敏感に気付けるようになりましょう。

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