猫が『噛む力』は約100kg!噛まれないための予防策3つと噛まれた時の対処法

猫が『噛む力』は約100kg!噛まれないための予防策3つと噛まれた時の対処法

基本的に、飼い猫が飼い主のことを本気で噛むことはありません。しかし、状況によっては何らかの理由で手などに噛み付くことがあります。本気ではなくても、かなり痛い思いをすることもあります。いったい、猫が本気で噛み付いたらどのくらいの力があるのでしょうか。また、噛まれないための予防策や噛まれたときの対処法もまとめました。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫が飼い主さんを噛む理由

歯を剥き出した猫

基本的に、飼い猫は飼い主さんのことを本気では噛みません。多少パニックになっていても、ちゃんと飼い主さんのことは認識しています。しかし、決して噛まないというわけでもありません。

撫でていたら突然噛まれた、動物病院に連れて行こうとしたら噛まれた、遊んでいたら噛まれたなどの経験がある飼い主さんは、きっと多いことでしょう。

猫が噛むのには、下記のようなちゃんとした理由があるのです。

  • 触られたくない場所、力が強すぎる、しつこくて嫌になった等による拒絶の意思表示
  • されたくないことをされるのが分かり恐怖心から軽いパニック状態になった
  • 素早く動くものが獲物のように見えて狩猟本能が呼び覚まされた

そこで今回は、猫が本気で噛み付く時の力、猫の噛み傷の特徴や、予防法・対処法について解説します。

猫が噛む力

噛む猫

ネコ科動物はとても優れたハンターです。捕まえた獲物を前脚で抱きかかえ、獲物の首に噛み付きます。その力は相当なもので、イエネコでも本気で噛み付けば100kg程度の力とも言われています。

しかも、猫の歯は獲物の骨から肉を引き裂いて食べるので、歯もそれに適した鋭利な構造になっています。猫の歯を見ると、奥歯も臼ではなく刃物のような形状になっています。

特に前歯には細くて長い犬歯がありますので、それで思い切り噛み付かれたら、傷口が狭くて奥深くまで食い込んだような傷口になってしまいます。

猫に噛み付かれないための予防策

撫でられる猫

猫の口腔内にはたくさんの雑菌が生息しているため、傷口にその雑菌が入り重篤な感染症に罹るリスクが非常に高いです。そこで、飼い猫に噛み付かれないための予防策を知っておきましょう。

1.猫が拒否していることを察知する

気持ちよさそうに撫でられていたのに急に噛み付く場合は、事前に「そろそろ止めて欲しいな」というサインを発しています。

しっぽを左右にパタパタ振ったり、黒目の部分が大きくなったり、自分の体をしきりに舐めたりし始めたら、撫でるのを止めましょう。

また、病気や怪我のために特定の場所に触られると痛いので噛み付く場合もあります。急に特定の場所を触ると嫌がるようになった場合は、動物病院で診てもらいましょう。

2.猫の恐怖感を和らげる

怯えている猫

動物病院に連れて行く、シャンプーや爪切りなどのお手入れをするといった理由で猫を捕まえる場合、嫌がって逃げる際に恐怖心が高まり軽いパニックを起こして噛み付くことがあります。

キャリーケースを普段から猫の見えるところに置いておき自由に遊ばせる、無理やりお手入れをせずに少しずつ慣らしていくなどにより、猫が嫌がる行為も日頃から慣らしていくことが大切です。

3.人を獲物と勘違いさせない

猫は、素早く動くものを獲物だと認識します。猫の遊びは、この狩猟本能の応用です。

子猫の頃に飼い主さんの手や足で遊んだ猫は、手や足に噛み付いても良いと学習してしまうので、必ずおもちゃを使って遊ぶように習慣づけましょう。

また、飼い主さんが急に動いたり方向転換をすると、猫が獲物と勘違いして飛び掛かってくる場合があります。普段から、猫の近くではあまり素早く動かないようにしましょう。

猫に噛み付かれたときの対処法

流水で洗う

猫に噛まれた傷口はとても狭くて深いため、血や膿が出にく腫れやすい状態になり、悪化しやすいという特徴があります。

噛まれたら、まずは傷口に流水を5分以上流します。水道水で構いません。出血している場合も同じです。その後も血が止まらない場合は、清潔なガーゼかタオルで傷口を押さえて止血しながら病院に向かってください。

高齢者、糖尿病患者、ステロイド使用者などは、免疫力が低下していて重症化しやすいので要注意です。

また、噛まれた場所だけではなく、全身に症状(痛み、かゆみ、ひきつけ、息苦しさ等)が出ている場合は一刻も早く病院に行く必要があります。

まとめ

遊んで噛む猫

もし猫に噛まれたら、大きく低い声で、「だめ!」等の短い言葉で注意をし、決して叩いたり追いかけたりはしないでください。「噛むと遊んでもらえる」という誤った学習をしてしまう場合がありますし良くない記憶となって飼い主さんとの関係が悪化する場合があります。

猫の行動を日頃からよく観察して気持ちの変化を察知できるように、飼い主さんもトレーニングをしておくと良いでしょう。

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