1.汗腺がほとんどない
動物のにおいの正体は主に「汗」によるものなのだとか。汗を出すのが「汗腺」ですが、猫には肉球やアゴ・お尻周りなど、きわめて狭い範囲にしか汗腺がありません。
つまりほとんど汗をかかないから、お風呂に入らなくても猫はあまりにおわない、というわけです。
しかし汗なら犬もかかないと思いませんか?汗をかかないのにどうしてここまで差が出るのでしょう。
実は汗には種類が2つある
汗を出す汗腺には、身体を冷やすために水(汗)を出す「エクリン腺」と、体臭やフェロモンなど情報を伝えるための「アポクリン腺」の2種類あります。
このうちエクリン腺は、猫も犬も局所的にしか持っていませんが、アポクリン腺は犬と猫で大きく違います。
アポクリン腺の出す汗がにおいの決め手
アポクリン腺の出す汗は、酸化すると強いにおいを発します。
これが犬の場合は全身に散らばっているのに対し、猫ではあまり多くはありません。このため猫の体臭は、犬と比べて極端に少なく感じるのです。
2.綺麗好き
グルーミングは「毛づくろい」と訳されますが、猫に関しては「におい消し」でもいいかもしれません。
食事をしたあとトイレを使ったあと、身体からそのにおいを消し去ることは、待ち伏せ型プレデター(捕食者)の基本の「き」です。
また体臭の主な原因である汗も、出てすぐならにおいません。肉球などを常に舐めて綺麗にしておけば、酸化して変なにおいになる暇がないというわけです。
3.日向ぼっこ好き
お布団を外に干す天日干し。天日干しにはにおいのもととなる雑菌やカビを退治する効果があります。
また、熱で湿気が飛んでいくので雑菌やカビが繁殖しにくい環境も作ってくれます。
猫の被毛も同じこと。日光浴をすれば雑菌などの繁殖が抑えられ、自然と体臭低下が望めるのです。
まとめ
猫の体臭が少ない直接的な原因は、汗腺が少なかったり頻繁に手入れをしていたりするからです。
しかしもとをたどれば敵に見つからないため、猫が単独で行動する待ち伏せ型のハンターだからということでしょう。
しかしそのおかげで現代の飼い主さんたちは猫のにおいをかぐのが大好きです。
犬の犬くさいにおいも悪くはないのですが、「お日様」とも「ポップコーン」とも「ミルク」とも表現される猫のにおいは、毛の柔らかい感触と相まって猫にはまる大きな要因ともいえそうですね。