猫に『引っ掻かれたとき』に注意すべき3つの病気と対処法

猫に『引っ掻かれたとき』に注意すべき3つの病気と対処法

猫に引っ掻かれた経験がある方も多いのではないでしょうか?日常茶飯事だから…と傷を放置していませんか?しかし、猫に引っ掻かれたときには注意すべき病気があります。飼い主さんは、これを知っておくと安心ですよね。今回は万が一、猫に引っ掻かれたときの注意すべき病気と対処法をご紹介します。

773view

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.猫ひっかき病

猫の手と傷

「猫ひっかき病」は、「バルトネラ菌」と呼ばれる病原菌が原因で発症します。

この菌を持っている猫にネコノミが寄生し、そのネコノミが他の猫に寄生したり、猫同士がケンカしたりすることで感染が拡がります。

感染した猫に引っ掻かれたり、噛まれたりすることで人に感染してしまうのです。人が感染すると、傷が腫れるだけではなく、顎の下や脇の下のリンパ節が腫れ、痛みが出ます。

その他にも、発疹が出る、発熱、食欲不振、倦怠感などの症状が現れる場合があります。重症化すると、脳症による意識障害や痙攣を起こすこともある恐ろしい病気です。

バルトネラ菌を媒介するネコノミは、気温が高い夏に繁殖し、その後、秋〜冬にかけて人に感染する事例が多いという報告があります。季節問わず定期的にノミの駆除を行い、室内飼いにすることで、ノミの寄生を予防することができます。

2.破傷風

穴を掘る猫

「破傷風」とは、土の中に存在する「破傷風菌」に感染することで発症します。「破傷風菌」が付着している猫の爪で引っ掻かれた場合、人に感染するのです。

口が開けにくくなったり、口唇や手足の痺れなどの神経症状を引き起こし、放っておくと全身痙攣を起こし、死に至る恐ろしい病気です。

「破傷風菌」は全世界の土壌の中に存在しているため、誰でも感染する可能性があります。

日本では、子供の頃にワクチン接種をしているため子供のうちは発症する可能性は低いですが、年齢と共に効果が弱まるため、改めて受けておくと安心でしょう。

3.パスツレラ症

爪を出す猫

パスツレラ症は、「パスツレラ菌」が原因で発症する感染症です。「パスツレラ菌」は常在菌の1つで、猫の70%以上が口腔内や爪に保有しているとされています。

猫に引っ掻かれて「パスツレラ菌」が人体に入ることで、受傷部が腫れたり、発熱したりします。免疫が低下している人や、高齢者や糖尿病の人は重症化しやすいため、注意が必要です。重症化すると骨髄炎や敗血症、呼吸器の感染症に発展することもあります。

対処法

腕を洗う人

万が一、猫に引っ掻かれてしまった場合は放置せず、早急に応急処置することが大切です。時間が経つにつれて、細菌が深く入り込んでしまう可能性があるからです。

まずは傷口を水道水でよく洗いましょう。次に、石鹸をよく泡立てて泡を傷口に乗せ、優しく洗います。石鹸が傷口に残ると傷の治癒が遅れるので、石鹸で洗った後は水道水でしっかりと洗い流してください。

それでも出血が止まらない場合や、傷が深い場合は、清潔なタオルやガーゼで傷口を15分ほど圧迫し、人間の病院へ向かってください。

時間が経ってから圧迫をすると逆に体内に菌を入れてしまうことになるため、水洗い後すぐに圧迫するようにしましょう。

傷が深い場合や、止血後に体調の異変を感じた場合は、病院で診てもらいましょう。

猫ひっかき病の病原菌には数日〜2週間ほどの潜伏期間があるため、しばらく経ってから発症する可能性もあります。

たとえ軽症でも、しばらくは経過観察を行いましょう。

まとめ

前足を出す猫

いかがでしたか?猫を飼っていると、引っ掻かれてしまうことはありますよね。しかし、「いつものこと」だと侮ってはいけません。

猫は、嫌がることをされた、構ってくれない…など、ストレスを感じると攻撃的になることがあります。

まずは引っ掻かれないよう、猫がストレスなく過ごせるよう心がけましょうね。万が一引っ掻かれてしまった場合は、上記を参考に処置を行ってみて下さい。

スポンサーリンク