猫の『春』に注意したい病気4つ!気を付けたいトラブルも

猫の『春』に注意したい病気4つ!気を付けたいトラブルも

愛猫の健康管理は、1年を通して継続的に行わなければなりません。どんどん暖かくなっていく春から夏にかけては、気候的には病気にかかりやすい環境ではありませんが、愛猫の健康や事故のリスクを高める要素の多い季節です。心身両面から考慮した、春だからこそ注意したい猫の病気やトラブルについて解説します。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の生活は人の生活に左右される

桜の木に登る猫

暖かい日が増えてくる春は、過ごしやすい季節です。しかし、寄生虫や病原菌を媒介する動物の行動が活動的になり、日照時間が延びて猫達は発情します。

また、春は飼い主さんの生活が節目を迎えて変化しやすい季節でもあります。人と一緒に暮らす猫の生活は、飼い主さんの生活の影響を直接的に受けます。それが大きなストレスになることもあり得ます。

春先はこのように、自然環境の変化と飼い主さんの生活環境の変化が影響し合うことで、ひときわ愛猫の健康やトラブル管理に注意が必要な時期です。

そこで今回は、特に春に注意したい猫の病気とトラブルについて解説します。

春に気をつけたい猫の病気

感染症

鼻水を出す猫

普段よりも強いストレスを受けると、免疫力低下によりウイルス、細菌、カビなどに感染しやすくなります。

主な感染経路は粘膜です。眼、鼻、口腔内などの炎症に注意しましょう。

具体的には、いわゆる猫カゼや結膜炎、鼻炎、口内炎です。

鼻水、くしゃみ、流涙、目やに、よだれ、口臭がきついなどの症状が見られたら、動物病院を受診してください。

寄生虫症

愛猫の生活環境をよく考慮した寄生虫予防や駆除も必要です。特にフィラリアは注意が必要です。

最近では室内飼いの猫のフィラリア症も報告されていて、突然死の原因の一つとも考えられています。

フィラリアと一緒にノミ・ダニ・回虫の駆除も同時に行えるタイプの予防薬もありますので、よく獣医師と相談してください。

毛球症

猫の毛

春は、冬毛から夏毛へと生え換わる換毛期で、大量の抜毛が発生します。毛づくろいによりこれらの毛を胃の中に溜めてしまい、それが球状になることで消化管に詰まってしまったりするものを毛球症と言います。食欲不振や嘔吐などの症状をおこします。

ひどくなると、病院での治療も必要になります。毎日しっかりとブラッシングをして抜け毛を取り除くように対処しましょう。

ストレス性の疾患

トイレにいる猫

強いストレスを受け続けると、免疫力低下だけではなく、交感神経が活発に働いて体が常に緊張状態になります。

その影響で、突発性膀胱炎(原因不明の膀胱炎)や胃腸障害を起こしたり、過剰な毛づくろいによる心因性脱毛を起こすこともあります。

頻繁にトイレに行くが出る量が少ない、血尿が出る、トイレに間に合わないといった症状は、突発性膀胱炎のサインです。食欲不審、嘔吐、下痢、便秘などは胃腸障害のサインです。

いずれの場合も、兆候が見られたらすみやかに動物病院で受診しましょう。

春に気をつけたい猫のトラブル

フードの不適切な管理による食中毒

食事中の猫

なんとなく元気がない、背中を丸めてじっとしている、下痢や嘔吐がある場合には、フードの保管状態が良くなかったために雑菌が繁殖し、食中毒を起こしているのかもしれません。

背中を丸めてじっとしている場合は、お腹の痛みを我慢している可能性もあります。徐々に湿度も高くなってきますので、フードの管理や取扱いにはより注意が必要です。

脱走

喧嘩する猫

日照時間が長くなると、未避妊のメス猫は自然に発情を迎え、近くに発情したメス猫がいる刺激で、オス猫も発情します。未避妊・未去勢の猫は、相手となる猫を探して脱走をしてしまうことがあります。

脱走したオス猫は、他のオス猫との喧嘩でケガや感染症に罹る、メス猫は交尾の時に相手のオス猫から首を噛まれたり交尾で感染症に罹るというトラブルが多発することが多いので、春は特に脱走対策に注意が必要です。

もちろん外に出てしまうので交通事故などにあってしまうこともあります。

尿スプレー

猫は、自分の縄張りを必死に守ります。特にオスは自分の縄張りに不安を感じると、尿スプレーと言ってお尻を上げ、霧状におしっこを噴霧して縄張りを主張します。

引っ越しや模様替え、新しい家族が増えたなどで環境が変化しても、愛猫が安心して暮らしていけるように、飼い主さんが工夫をする必要があります。

まとめ

桜の木の上で遊ぶ猫

愛猫の健康管理やフード管理、被毛のお手入れなどは、1年を通して必要なケアです。しかし、特に春は人間の都合で生活環境が変化しやすく、猫にストレスを与えやすい時期であることに注意が必要です。

人間側の都合で愛猫にいつも以上にストレスを与えていないかという点も考慮した上で、愛猫に十分な心配りを行いましょう。

スポンサーリンク