猫の便が『下痢』っぽい…色や状態からわかること3つと予防法

猫の便が『下痢』っぽい…色や状態からわかること3つと予防法

愛猫に下痢の症状が見られたら、飼い主さんは心配になりますよね。一時的になる急性の下痢と、何らかの病気が原因の下痢があります。対処方法を知っておけば、いざというときに安心ですよね。今回は、色や状態からわかることを予防法を交えてご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

正常な便とは?

トイレの中の猫

正常な猫の便は、軽く力を加えると形が変わるほどの粘土のような硬さです。

毛繕いで飲み込んだ被毛が混ざっている場合がありますが、色は茶色~濃い茶色です。

また、日頃食べているフードによっても色は変わってきます。

1.水様便

トイレの中の猫

下痢の中でも水分量が最も多い液体状の便を「水様便」と言います。

通常、便に含まれる水分量は約60〜80%ですが、水様便には90%以上も含まれています。

水様便が続く場合は、ウイルス性や細菌性、寄生虫の感染症、消化器系の疾患を患っている可能性があります。

2.軟便

トイレの中の猫

上記の水様便よりは硬いですが、触ると簡単に潰れる状態を指します。

また、持ち上げるとトイレの砂に便の跡が残る状態です。

消化不良を起こしていたり、ウイルス性の感染症、コクシジウムなどの寄生虫による下痢の可能性もありますので、病院で診てもらいましょう。

3.血便(黒色便)

排泄する猫

便に血が混じっていたり、便の色が全体的に黒い状態を「血便」と呼びます。

赤い血が出ている場合には、肛門に近い大腸からの出血が疑われます。

真っ黒な便の場合には、肛門からは離れた胃や小腸で出血している可能性があります。胃腸炎により腸粘膜が荒れてしまう以外にも、血便が続く場合は腫瘍などの疾患が隠れていることも。

「血便」が出ていたら、消化管内で出血を伴う病気を発症している可能性が高いため、すぐに病院へ連れて行きましょう。

予防法は?

見上げる猫

環境面を見直す

猫はストレスを感じやすい動物。

室内が暑すぎたり寒すぎたりしないか、トイレは清潔に保たれているか、飼い主さんが気を配ってあげる必要があります。

また、引っ越しや模様替え、新たに猫を飼い始めたなども猫にとって大きなストレスとなります。

環境の変化でも猫は下痢をすることがありますので、安心して過ごせる場所を飼い主さんがきちんと整えてあげましょう。

人間の食べ物を与えない

人間の食べ物は消化不良で下痢の原因になることがあります。

また、猫にとっては毒性のある食べ物もあります。必ずキャットフードを与え、バランスの良い食事で腸内環境を整えてあげることが大切です。

完全室内飼いにする

感染性の下痢は、他の猫との接触により感染することがあります。

命に関わる感染症もありますので、外には出さずに完全室内飼いにしましょう。

ワクチンを打つ

「パルボウイルス」は仔猫では命を落とすこともある怖い病気です。下痢や嘔吐、元気消失や食欲不振が主な症状です。

このウイルスはワクチンで高率に防ぐことができますので、時期が来たら獣医師と相談してワクチン接種を受けましょう。

まとめ

トイレの中の猫

いかがでしたか?猫の便は健康のバロメーターであると言えます。

トイレを掃除する際に、必ず便の状態を確認し、異常に気づいてあげましょうね。

猫の健康管理は飼い主さんの重要な役目です。ぜひ参考にしてみて下さい!

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