保護猫との出会い
猫を飼おうと開いた地域の情報誌、そこには「ペット譲ります」と書かれた小さなコーナーが設けられていました。そのページに無数に掲載された写真を何の気なしにみていると、一つの掲載欄に目が止まりました。
「子猫、成猫たくさんいます。ご連絡ください」
その言葉の横にはなんとお寺の名前。家から近いこともあり、私は子猫の見学を申し込みました。
2日後、私はそのお寺の前にいました。大きな門は一見すると何の変哲もない大きなお家という印象でした。しかし開かれた門を潜ると、庭に猫、畑に猫、お寺の境内に猫、猫、猫、猫。本当に猫だらけでした。
そちらのお坊さんは女性の方で、お寺で猫の保護活動をしている方でした。家の中には病気の猫ちゃんや怪我をした猫ちゃんも多数いました。そして、子猫も凄い数がいました。
そのときで十数匹はいたのではないでしょうか?あまりの多さに困惑しました。お坊さん曰く、猫の保護活動をしていることを知って、お寺の前に黙って子猫を捨てていく人が後を絶たないそうです。朝、お坊さんが玄関に出ると子猫の入った段ボールが置かれていたりするようでした。
そんなお話を聞いているなか、私はふと、2匹の子猫に目が止まりました。他の子猫より3倍はあるんじゃないかと思うほど大きな子猫、その子猫を枕にしてスヤスヤと眠る他の子猫よりも一回りくらい小さな子猫。何故か私はピタリと寄り添う2匹の小さな命から目がそらせませんでした。それが私と、愛猫の出会いでした。
過酷な運命を乗り越えて
この2匹は8匹程の子猫と一緒に段ボールに入れられお寺の前に置かれていたそうです。お坊さんが見つけたとき、そのうちの3匹程は死んでいたそうです。まだ歩くことも儘ならない子猫。野犬に襲われたか、他の野良猫に襲われたか、カラスに襲われたかはわかりませんが見るも無惨な姿だったようです。発見したとき残りの子猫達は固まり震えていたそうです。怖かったと思いますし、こんな小さな子達を無責任に捨てた人に怒りを覚えました。
「この子は大きいから、あんまり人気がないんですよ」
そう言われた瞬間、その子を抱き上げて「この子にします!」と言っていました。その時、私の足元に必死にすがり付く子猫。巨大猫を枕にしていたちび子猫でした。その目は
「私の枕を返せ!私からその子を取るんじゃない!」
と叫んでるようでした。この仲良しの子猫達を引き離すのは忍びない。そう思った私は思わず「この子もお願いします」と1匹だけ引き取る予定が何故か2匹になってしまいました。結果的にはよかったですが、当時の無計画さには自分でも呆れます。でも後悔はしていません。
現在の2にゃんの様子
現在、2匹は相変わらずの仲良しさんでゆっくりと生活し、私達夫婦を癒してくれ、娘と嫌々ながらも遊んでくれています(笑)。まさに無くてはならない存在。彼等がいない生活なんて私には考えられないですし、耐えられないです。
いつもピタリと寄り添う2匹を見ていて、あのとき本当に2匹引き取る事を決めてよかったと思っています。チビ猫ちゃんが必死にすがり付いて抗議してくれなかったら、2匹飼うなんてあり得ないことです。これも運命なのでしょうね。
ちなみに我が家の権力はチビ猫が一番で、最下層が旦那と巨大猫ちゃんです(笑)
女の尻に敷かれるのはどんな種族でもあることなんですね。でも巨大猫ちゃん本人は枕にされ尻に敷かれても幸せそうなので、これでいいのでしょう。
まとめ
我が家は保護猫を迎えたことにより、とても豊かで明るい家庭を築くことができました。私達夫婦は猫のおかげだと思っています。様々な事情で捨てられ過酷な運命を乗り越えて、強く生きようとする猫達。家族に迎えることを一度考えてみてはいかがでしょうか?