獣医さんが困る飼い主さんの行動
猫はデリケートなので、診察が大変です。それを察して飼い主さんが一生懸命になるのはありがたいのですが、中には少し空回りになる行動があります。
次の5つの行動は、獣医さんが困ると感じています。皆様は大丈夫でしょうか?
1.猫を大声で励ます
診察中のあらゆる場面において、猫を励まそうと「大丈夫!大丈夫!」「痛くないよ!頑張って!!」と声をかける飼い主さん。
声量は大丈夫ですか?ついつい大きな声で励ましていませんか?
猫は大きな音が苦手です。ただでさえ怖いと感じる環境の中、飼い主さんが大声を出すと余計にパニックになってしまうのです。
ただし、声かけが悪いのではありません。不安そうにしていたら優しく声をかけることで、猫は安心感を得られます。
2.猫を叱る
猫は、指示通りの動きや体位を取ることが難しいことがよくあります。それを見かねて「コラッ、先生の言うことを聞いて!」と叱ってしまう飼い主さんもいるようです。
獣医さんや看護師さんは、猫が言うことを聞いてくれない状況に慣れています。あれこれアプローチを変えて対応してくれるはずです。
逆に飼い主さんが叱ってしまうことで猫が混乱し、暴れてしまうほうが大変なのです。ここは叱らずに、日頃撫でられて喜ぶところを撫でてリラックスさせてあげましょう。
優しく声をかけながら、注意を引きつけることも有効です。
3.猫を診察台にあげてくれない
人間の小さな子どもは、診察時にお母さんが抱っこしたまま、という光景をよく見かけます。猫もそのほうが良いのでは、と思う方もいるようです。
診察台に乗せるのは可哀想だから、といつまでも抱っこしたままでは診察が進みません。飼い主さんがそばにいてくれれば、猫も安心することができます。
愛猫の健康状態をくまなく診てもらうためにも、そっと診察台にあげましょう。
4.嘘をつく(投薬編)
処方された薬を飲ませることが困難で、挫折してしまうことがあります。でも、本当のことを話したら叱られると思い、嘘をついてしまう人がいます。
これは絶対にやめてください。飲んだことを仮定して次の処方へと進みます。効果がないとみなされることで、もっと強い薬になってしまうこともあるのです。
投薬が困難な場合は、別の方法を一緒に探してくれるのが医療スタッフさんたちの心強いところです。正直に難しかったと伝えましょう。
5.嘘をつく(日常編)
普段の生活の中で、好ましくない習慣(おやつの食べすぎや人間の食べ物を口にするなど)がある場合、正直に答えにくいこともありますよね?
しかし、病気の早期発見や早期治療には、飼い主さんからの情報がとても役に立ちます。体調の異変に心当たりがある際は、勇気を持って正確な情報を伝えるようにしてください。
獣医さんが診察時にありがたいと思うこと
猫は自分の身に起きていることを、自分の言葉で伝えることができません。診察における問診のキーパーソンは飼い主さんです。次のような行動は非常にありがたいことです。
- 異変を動画に記録している
- 時系列が整理されている
- 質問に正直に答えてくれる など
痙攣や激しい咳などは、診察時には落ち着いていることもあります。動画があることで、状況を把握しやすくなります。
そして受診する前に、1度体調不良を起こした時系列を整理しておくと伝わりやすくなります。
まとめ
一生懸命だけれど、どこか残念な飼い主さんの例を紹介させていただきました。皆様は大丈夫でしょうか?
病院というだけで、気が動転してしまうかもしれません。まずは飼い主さんが落ち着いて、冷静になってください。それだけで猫は心強いのです。
診察中は、診察の邪魔にならないように気をつけながら、優しく支えてあげてください。