1.ペットロスを癒す詩が由来
虹の橋について書かれた散文詩があります。3部作のうちの最初の1部がよく知られている部分です。その内容は、天国へ行く道の手前に虹の橋があり、そこには草原が広がり、老いたり病気になって亡くなったペットたちも元気に走り回っている。やがてこの場所で飼い主と再会し、ともに天国へ渡っていくというものです。
この詩が、アメリカで広まり、やがて世界中で翻訳され、ペットを失った人の心を癒していくのです。今では、多くの人がペットを亡くした時に「虹の橋を渡った」と表現していますが、由来となる詩では、橋のたもとで飼い主が来るのを待っているのですね。
2.インターネットの投稿で広まった
虹の橋は、1980年代に作られたとされていますが、詳しい時期はわかっていません。また、作者も不明です。アメリカのペットを飼う人たちの間で知られていましたが、インターネットに投稿された文章をきっかけに世界中に広まります。インターネットで虹の橋を引用した投稿は多数あり、どれが最初かは不明です。
3.虹の橋の作者
虹の橋3部作の1部、2部は作者不詳ですが、3部は日本人の女性が書いたものです。柴山弓子さんの作で「雨降り地区」といいます。
虹の橋の入口には、雨降り地区があって、いつも冷たい雨が降っている。この雨は、残してきてしまった誰かの涙なのだそうです。その誰かが、悲しんでいるうちは、ペットたちは楽しく遊ぶことができない…だからいつまでも悲しみに囚われないで、というメッセージのこもった詩です。
4.神話や伝承に登場するの虹の橋
虹の橋を引用した投稿が複数見られた時点で、多くの人に知られていたことがわかります。すると、虹の橋の詩のさらに原点になったものがあると考えられますが、はっきりしたことはわかっていません。
最も有力なのは、虹の橋はインディアンの古い伝承であるという説。
もうひとつは、北欧神話に「ビフレスト橋」と呼ばれる虹の橋が出てきます。神話の神々の世界と人間の住む世界をつなぐ橋で、亡くなった動物が過ごす場所とは違いますが、この神話が基になっているという説があります。
まとめ
猫を飼っていれば、必ず別れの時が訪れます。わかっていても、愛猫の死に直面することは、本当につらいこと。多くの人が、ペットロスに悩まされます。
でも、亡くなった猫たちが、虹の橋のたもとの草原で元気に走り回っていると想像できたら、慰められますね。そしていつか、自分が天国に行く時には再会し、一緒に美しい虹の橋を渡る…悲しみの中にも希望が生まれます。
虹の橋は、絵本作家の葉祥明さんの絵本を始め、数種類が出版されています。じっくりと味わってみるのもいいですね。