猫はちゃんとお留守番できる
基本的には、生後5〜6ヵ月以降で心身ともに健康な猫は、1匹だけで長時間の留守番が可能です。きちんと準備をした上での留守番であれば、猫にとってもそれほどひどいストレスにはならないと考えられています。
働き方改革等で在宅勤務という形態も増えつつありますが、自社への出社や取引先への訪問などで家を出なければならない飼い主さんも多いと思います。猫が安心して安全に留守番できるために飼い主さんが注意すべき点についてまとめましたので、参考にしてください。
なお2日以上留守にする場合は、猫が自分の縄張り内で留守番できるように、友人や知人、プロのシッターさん等に必要最小限の世話をお願いできるのが理想です。
猫に安全に留守番してもらうために守ること
1.餌と水はしっかり準備
最も重要なのが餌と水です。日帰りの場合は1日分のドライフードを自由採食させるということも可能です。ウェットフードは飼い主さんがいる時間に必要量だけ給餌するようにしましょう。長期の留守番で給餌を他人に頼む場合は、どの種類のフードを何gということを明確に伝えましょう。
また、新鮮な水も大切です。ノズル型の給水器は猫の舌の構造にはあまり向いていないため、普通の給水皿か、ペットボトルをセットするタイプの給水皿を使うと良いでしょう。
2.きれいなトイレを多めに準備
次に重要なのがトイレです。猫は汚れたトイレは使いません。留守中にトイレが汚れてしまうと、我慢したりトイレ以外の場所に排泄することがあります。猫自身にとってもとても不快なことなので、出かける前にトイレはきれいに掃除しておきましょう。
また1泊以上の留守番の場合は、いつもより多めにトイレを設置しておきましょう。
3.安全で快適な環境の確保
エアコンで温度や湿度を管理しますが、暑すぎたり寒すぎたりした場合に猫が自分で最適な場所に避難できるよう、室内を自由に使わせましょう。
猫に対するリスクは全て排除します。口にすると危険な物、感電等のリスクがあるものは片付け、浴室やトイレなどの水回りにも注意し、万が一の事故を予防します。耐震対策も必要です。
キャットタワー等を利用して猫が自由に窓の外を眺められ、安全で丈夫な知育玩具等を与えて、退屈しない留守番環境を作ります。
4.アフターケアをしっかりと
飼い主と長時間離れていると猫もコミュニケーション欲求が高まるという実験結果があります。帰宅後は給餌とトイレ掃除をし、ゆっくりとコミュニケーションを取る時間を作りましょう。
5.できれば習慣化すると良い
猫は飼い主さんの習慣に合わせて自分の生活サイクルを作ります。一時的に在宅勤務が増えている場合、仕事中は別の部屋にこもって擬似的な留守番状態を作ると、今後スムーズに留守番を復活できるかもしれません。
猫にも増えてきた分離不安
最近は、猫にも分離不安症が増えてきています。完全室内飼いが当たり前になり、子猫の頃からずっと可愛がられているため、飼い主さんへの依存心が大きくなっていると考えられています。猫を構いすぎず、日頃から程よい距離感で付き合うことが大切です。
筆者の愛猫は東日本大震災をきっかけに、宿泊出張があると必ず嘔吐するようになりました。余震が続く中、飼い主が帰宅できずに心細い気持ちで留守番をしていた経験がトラウマになり、飼い主への依存心が増したのではと考えています。愛猫の様子をよく観察し、メンタル面も含めたケアが大切だと痛感しました。
まとめ
今日のねこちゃんより:つくし♀ / サバトラ / 1.4kg
猫が猫らしく暮らすことができれば、本来持っている特性を活かして猫は長い時間の留守番もストレスをあまり感じずに上手に過ごしてくれます。
飼い主さんは。とにかく留守中の愛猫の安全の確保と「退屈」というストレスを与えないこと、そして帰宅後のアフターケアに努めましょう。