ドライフルーツはなぜ危険?
もともと植物には、動物に食べられないよう強い苦みや毒などのマイナス成分が含まれています。
現在の植物は美味しくてより安全になっているとはいえ、それは人間に向けた改良であって猫向けではありません。
しかも果物をドライにすると水以外の栄養素は生の5倍以上。ひと口でも影響が出やすくなってしまうのです。
1.高い糖分が肥満や糖尿病を悪化させる
太るほどドライフルーツが好きな猫がいるとは考えられませんが、太り気味の猫が食べればダイエットの邪魔をします。
果物に含まれる糖分の1つに「果糖」があるのですが、これが脂肪に変わりやすいからです。
また肥満気味の猫には常に糖尿病のリスクがありますが、同じく果物に含まれるブドウ糖やショ糖は血糖値を上げ、高血糖や老化を招くといわれます。
2.果物中の成分が中毒症状を引き起こす
猫にNGな果物がありますが、成分が濃縮されているドライフルーツならなおNGです。
いずれも下痢や嘔吐、ただれ、口内炎、食欲不振など、アレルギー症状や中毒症状を起こす果物ばかりです。パンやクッキーなどに紛れ入んでいることがありますので、要チェックです。
ブドウ
犬で腎不全になったという症例があり、それ以降猫も要注意とされている果物です。
ブドウの何が悪いのかは分っていませんが、果肉より皮の方が危険だといわれています。皮ごと食べ、パンやお菓子で馴染み深い干しぶどうは、口に入りやすいという点では1番危険な果物です。
イチジク
フィカインやフラノクマリンという成分が毒になるといわれています。
フィカインは主にイチジクの実や葉、茎などに含まれているタンパク分解酵素です。猫にとっては毒性が強いといわれています。
フラノクマリンは果肉や皮に含まれており触れた後に紫外線に当たると触れたところに皮膚炎が起こります。
中毒症状が起こると口内のかぶれや嘔吐・下痢を起こすと言われます。皮や葉っぱに触れるだけでもかぶれることがありますので、飼い主さまが食べる時は猫を遠ざけておきましょう。
柑橘類の皮
生の柑橘類は食べても平気な果物に数えられていますが、皮にはリモネンなどの中毒成分が含まれます。生の皮は猫の方が嫌がって食べないでしょうが、レモンやオレンジなどは皮ごとドライが普通ですので注意しましょう。
マンゴー
ウルシ科の植物マンゴーは人間でもアレルギーの出やすい果物です。「カルドール」という成分が口にかぶれや痒みを引き起こすといわれています。
パパイヤ
パパインもアレルギーを起こしやすい果物です。口周辺に炎症がおきるだけでなく、アナフィラキシーショックを起こすこともあるといわれます。
まとめ
成人病やアレルギー・中毒の危険性があると知らなくても、ドライフルーツを猫のおやつにする飼い主さんはまずいないでしょう。
しかし例えば、パン好きな猫がブドウパンをかじるかもしれません。また猫に危険な果物はシリアルに普通に入っているものばかりですから、ミルク好きな猫がシリアルにそっと手を伸ばすかもしれません。
気付かないうちに食べてしまっていたということを避けるために、猫にとって危険なものは出しっぱなしにしないようにしましょう。