猫は日本にいつ頃来たの?日本における猫の歴史を徹底解説

猫は日本にいつ頃来たの?日本における猫の歴史を徹底解説

猫の歴史については、遺跡の発掘やDNA解析、文献や文化財等による研究でさまざまなことが解明されてきました。しかし、まだ分かっていないことも多く残っています。いつどうやって猫が日本にやってきたのか、その後どのように人と一緒に生活してきたのかについて徹底解説します。

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猫はいつから日本にいるのか:縄文時代〜飛鳥時代

遺跡発掘

人類がリビアヤマネコと一緒に暮らし始めたのは約9500年前ですが、猫が日本にいつ、どのようにしてやって来たのかについては分かっていません。しかし少しずつですが、日本における猫の歴史についても分かってきています。

日本でも、弥生時代には人と猫が一緒に暮らしていました。長崎県壱岐市のカラカミ遺跡から猫の骨が発見されています。同時代の韓国近海遺跡でも猫の骨が見つかっており、ネズミ対策として大陸から連れて来られたのではないかと考えられています。

兵庫県姫路市の見野古墳からは猫の足跡がついた須恵器(土器)が発見されており、古墳時代になると、猫は作業場にも自由に出入りしていたようです。

飛鳥時代には、仏教伝来により経典と一緒に猫も中国から改めて入って来たと考えられます。

平安時代

昔風の猫のイラスト

日本における最初の猫ブームが平安時代です。中国から来た猫は「唐猫」と呼ばれて区別され、貴族に可愛がられました。犬は放し飼いでしたが、猫は紐に繋がれて飼われていました。

第59代宇多天皇の日記は、「日本最古の飼い猫の記録」です。飼い猫の見た目、仕草、飼い方や思いなどが細かく記録されていますが、名前は記載されていません。当時は、乳粥という今のヨーグルトのようなものを食べさせていたようです。

この時代に猫を可愛がった天皇としては一条天皇も有名で、枕草子や藤原実資の日記の中にもその様子が描かれています。

日本最古の長編小説源氏物語にも、宮中で可愛がられている猫が登場します。今昔物語からは、すでにこの時代の市中にはのら猫がいたことが推察できます。

鎌倉時代〜安土桃山時代

牙をむく猫

鎌倉時代の歌人藤原定家の日記や吉田兼好の『徒然草』には、人に災いをもたらす「猫又」についての記載が見られます。まだしっぽが二股に分かれているという記載はなく、猫又は狂犬病にかかった獣のことではないかとの解釈もあります。

安土桃山時代、猫はネズミを獲る益獣として重宝されており、豊臣政権は「猫を盗むこと、迷い猫を捕獲すること、猫の売買」について禁止する布告を出しました。

西洞院時慶の日記『時慶記』によると、徳川家康が江戸幕府を開く前年の1602年に「猫を繋いではいけない」という御触れが出され、放し飼いにされた猫が自由に徘徊していたことが分かります。

江戸時代

猫又の絵

毛利輝元が布告した条目には「犬は繋いで飼育、猫は放し飼いをし、人家に侵入したり他人の家の飼い鳥を襲っても殺してはならない」旨が書かれており、犬も猫も大切にされていたことが分かります。

日本で最初の絵入り百科事典、『和漢三才図会』の中には「化け猫」に関する記述があり、伊勢貞丈の『安斎随筆』の中にも「歳をとった猫は形が大きくしっぽが二股になり、妖怪となって災いをなす。これを猫又ともいう」と書かれており、この時代に猫又のイメージが完成したことが分かります。

一方、初代歌川広重の描いた『浄瑠璃町繁花の図』の中には、右手を上げた招き猫が縁台にずらりと並んで売られている様子が描かれています。

日光東照宮の眠り猫、歌川国芳をはじめとする浮世絵等、江戸の文化からは猫が庶民に愛され身近な存在だったことが分かります。江戸時代は第二の猫ブームと言えるでしょう。

明治時代〜現在

軒先の猫

猫は人々の生活の中に深く入り込み、文化の中にも数多く登場します。明治時代には夏目漱石の「吾輩は猫である」が、大正時代には藤田嗣治や竹内栖鳳、昭和には長谷川潾二郎が猫を描きました。

赤川次郎氏の三毛猫ホームズシリーズ(小説)、なめ猫ブーム(グッズ)、ホワッツ マイケル(漫画)が人気となり、平成に入り『やっぱり猫が好き』をはじめとしたTVドラマや『猫びより』などの猫の専門誌、『ねこぱんち』などの猫漫画専門誌、『世界ネコ歩き』などのドキュメンタリー番組や多数の猫写真集が人気を呼び、ついに2017年には猫の飼育頭数が犬の頭数を上回りました。

猫の経済効果は「ネコノミクス」と呼ばれ、現在は平安時代、江戸時代に次ぐ猫ブームだと言えるでしょう。

まとめ

飼い主と遊ぶ猫

これからも、さまざまな研究により新たな発見と共に、日本における猫の歴史の未知な部分が埋められていくことでしょう。

日本の長い歴史の中で何度もブームを起こして来た猫の存在は、私たち日本人にとってかけがえのないものだと言えます。これからも、人と猫が良い関係を続けていけるよう、努力していきたいものです。

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