寒い冬のお留守番でも安心できる「猫のための快適環境作り」のポイント4つ

寒い冬のお留守番でも安心できる「猫のための快適環境作り」のポイント4つ

猫の祖先と言われているリビアヤマネコは、北アフリカの砂漠地帯に住んでいました。昼夜の寒暖差が激しく、一般的に猫は寒さに弱いといわれています。そのため、冬の環境管理は飼い主さんにとって悩ましいところです。飼い主さんが家を空けている時も含めて、安心できる冬の快適環境作りについてまとめました。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫にとっての快適環境

布団で安眠する猫

猫が快適に過ごすことのできる環境については様々言われていますが、一般的には下記のような環境が猫にとっての快適だと言えそうです。

  • 気温:26〜28℃
  • 湿度:50〜60%

猫の祖先のリビアヤマネコは北アフリカの砂漠地帯で暮らしていたため、猫は寒さに弱いといわれています。しかし、被毛の長さや構造、筋肉量や活動量、年齢や健康状態によっても快適の感じ方に差が生じます。

ですので、飼い主さんが愛猫の様子を観察してその都度に判断することが大切になります。つまり、猫が「暑い」・「寒い」のサインを出さずに自由に活動している状態が、その猫にとっての快適な環境だということです。

丸まって寝る猫達

猫が「寒い」と感じているときに示すサインを早期にキャッチして、快適な環境維持に努めましょう。猫が寒いときに見せる様子を下記にまとめます。

  • 丸まって寝ている、またはうずくまったままであまり動かない
  • 多頭飼いの場合は複数の猫が一塊に寄り添い団子状で寝ている
  • 日差しの当たる場所や暖かい空気が集まる場所でじっとしている
  • 布団や毛布、フリースなどがある場合はその上に乗ったり潜ったりして寝ている
  • 飼い主さんの膝の上や側に居たがる
  • 水を飲む量が減る

猫の冬向け快適環境作り

ストーブ前の猫

1.温湿度調節

基本は室内の温湿度調節です。猫にとって快適だといわれている温湿度を目安に、エアコンや加湿器等を利用して、急激な温度差が生じない安定した快適環境のベースを作りましょう。

注意すべきはリモコンの誤操作です。猫が触って冷暖房のスイッチを切り替えることも含め、誤操作に注意しましょう。特に外出前の飼い主さんによる誤操作は、愛猫の命に関わる場合もあるので重大です。

2.電気製品

ストーブやヒーターといった器具を利用する際に、猫が倒したりコードをかじったりおしっこをかけたりしてショートさせ、火事になることがあります。不在時はコード類を片付けておきましょう。

また、人用の暖房器具は猫にとっては温度が高いため、長時間接触で低温やけどを起こすことがあります。猫用のこたつやヒータが市販されていますし、湯たんぽなどを温度に注意して使用するのも良いでしょう。

水を飲む猫

3.寝床やトイレ、水飲み場所の位置

寒いからと水を飲まない、排泄をしないことが続けば泌尿器に負担がかかることがあります。猫は泌尿器疾患にかかりやすい動物なので、飲水量の低下は膀胱炎や腎臓病の引き金にもなり得ます。寝床はもちろん、トイレや水飲み場も暖かい場所に設置しましょう。

季節により場所を移すと猫にはストレスになる場合もあります。普段から複数箇所に設置しておくことをおすすめします。

4.避難所作り

行動範囲の全てが同じ環境だと、暑くなりすぎた時などの逃げ場がなくなってしまいます。猫の行動範囲の中に、暖かい場所、風の通りがある涼しい場所を織り交ぜると良いでしょう。

エアコン使用時に部屋や廊下の扉を開放して、暖かい部屋と涼しい廊下等に自由に行き来できるようにする等、できる範囲で工夫をしてみましょう。

低温やけどに注意

洋服を着る猫

前述の通り、人用の暖房器具は低温やけどのリスクがあります。予防と共に、低温やけどがどういうものかも知っておきましょう。

  • 毛が焦げたようなにおいがする
  • 同じ場所を舐め続ける
  • 触ると痛がる場所がある
  • 脱毛していて赤く腫れている場所がある
  • 皮膚が赤いだけでなく水膨れができている 等

まとめ

布団を被る猫

一言で「猫に快適な環境」と言っても、個々の猫により異なります。私たち飼い主がしてあげられるのは、猫をよく観察し、その猫にとっての「快適」を見つけることではないでしょうか。

そして不幸な事故を招かないように、細心の注意を払って生活していきたいと思います。

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