1.骨軟骨異形成症
「骨軟骨異形成症」は関節の病気で遺伝します。関節は、弾力性のある関節軟骨で骨を覆い、スムーズで滑らかな動きができるようにしています。この病気を発症すると、個体が成長する段階で異常がおこります。そして関節部分がこぶ状にふくれ「骨瘤」が形成され関節の行動を阻害します。
面白く愛嬌のある「スコ座り」は、実は猫が痛みを和らげるための座り方と考えられています。そのためスコティッシュフォールド、マンチカン、ペルシャ、アメリカンカールなどの猫種には注意が必要で、症状がある場合は関節に負担のかかる段差や運動を避けるようにしましょう。この症状は、特に「手根関節」や「足根関節」より先の関節におこりやすく、尾の骨が変形することもあります。
2.変形性関節症
関節への摩擦、関節へかかるバランス変化から軟骨に蓄積されたダメージで「変形性関節症」を発症します。加齢、骨軟骨異形成症が原因となることが多く肥満しているとリスクを高めてしまいます。
座り方がおかしかったり、触れたら痛がるなどの症状があります。
3.膝蓋骨脱臼
膝のお皿が膝関節の正常の位置からずれている状態が「膝蓋骨脱臼」です。小型犬には多く見られるのですが、猫も無理な高さからのジャンプや衝撃がかかると脱臼することがあります。
そして、内側に脱臼することが多いです。脱臼は外傷性と先天性に大まかにわけられ、先天的にはペルシャ、スコティッシュフォールド、メインクーンなどの猫種に見られやすいです。
4.椎間板ヘルニア
背骨を構成している骨と骨との間、緩衝材の役割をしているのが椎間板です。年齢とともに椎間板を構成する椎間板物質が硬くなり、背骨と背骨に強い力がかかったときに椎間板が押し出され脊髄を圧迫してしまう状態を「椎間板ヘルニア」と言います。
椎間板が神経に触れると痛みがあり、変な座り方をするなど行動に支障がでてきます。
椎間板ヘルニアの原因としては、肥満、外に出る(交通事故や落下事故に遭遇する可能性がある)高齢、などがあげられます。
また、マンチカンなど足が短く胴が長いタイプの猫種は、ヘルニアの確率が高くなります。
まとめ
猫の『座り方』がおかしいときに考えられる4つの病気についてお伝えいたしました。
猫は痛い部分を隠しやすい動物です。少しでも変な様子が見られるなら病院を受診してくださいね。早めの対処が愛猫のためにもなるでしょう。