ご飯の与え方のポイント
食事が愛猫の健康に影響を与える要素は、栄養バランス、量、十分な水分の3点です。それぞれの要素について個々の愛猫に最適な食事を提供する事が、健康で長生きできる体づくりの秘訣です。
今回は、「これだけは絶対にNG!」というポイントを中心にご紹介します。
猫の寿命を縮めるご飯の与え方
1.ライフステージを無視した食事
猫に猫用のフードを与えるのは大前提ですが、さらに大切なのがライフステージです。猫の年齢や妊娠、授乳などを考慮し、その時々に最適な栄養バランスを摂らせます。
ライフステージを無視した食事は肥満や栄養障害を招くので、避けなければいけません。ライフステージが異なる猫の多頭飼いでは、他の猫用フードを食べさせてはいけません。
2.療法食の自己判断
獣医師の判断なく飼い主さんの勝手な判断で療法食を与えたりやめたりしてはいけません。かえって愛猫の病状を悪化させる事があります。
3.欲しがるだけ与える
犬と違い、猫は基本的には過食しません。ただし、去勢・避妊手術をした猫や自由に動き回れない等の理由で通常よりも運動量や代謝が落ちている猫に、欲しがるだけご飯を与えるのは肥満の元です。
猫の肥満は寿命を縮める大きな要因の1つです。どんなにねだられても過食させてはいけません。フードのパッケージに記載されている給餌量を目安にし、定期的に体重を測定して給餌量を調節しましょう。
4.自由に水が飲めない
猫の健康には水もとても重要です。十分に水分摂取できないと、泌尿器系疾患のリスクが上がり寿命を縮める大きな要因になります。新鮮な水が自由に飲めない環境はいけません。
手作り食の注意点
手作り食を望む飼い主さんもおられるでしょう。しかし、猫の手作り食はかなり難しいです。完全肉食性の食事は、血液や内臓も含め丸ごと摂取します。それを一般に流通している食材で代替えするのは難しいからです。
手作り食の場合もベースは市販の総合栄養食にし、味付けしていない茹でた鶏のささみや白身魚のお刺身、焼き魚等を少量トッピングする形式にすることをおすすめします。
給餌法
給餌法は飼い主さんのライフスタイルに合ったものを選び、それぞれの特徴を理解して欠点をカバーする工夫をしましょう。
定時給餌法
毎日決まった時間に食事を与える給餌法で、食事の状況を管理しやすいのが特徴です。ただし、食事時間外におやつを催促されても応じてはいけません。過食となり肥満を招きます。
自由採食法
愛猫がいつでも自分のペースで食べられるように、餌を常に置いておく給餌法です。傷みにくいドライフードのみ給餌できます。過食防止のため、1日の総摂取量のみ給餌し、空になっても追加してはいけません。残った場合は総入れ替えします。
混合給餌法
1日1回以上のウェットフードの定時給餌とドライフードの自由採食を組み合わせた給餌法です。自由採食法と同様に過食を防止します。
まとめ
猫の食事は、ライフステージに合った適切な栄養バランスの猫用フードを、適切な量だけ、十分な水と共に与える事が重要です。最近は肥満の猫が増えており、寿命を縮める一因となっています。食事量、飲水量と体重をモニタリングし、健康管理しましょう。
また、猫に食べさせると中毒を起こす危険な食材を誤食させない事も、飼い主さんの責任です。