絶滅危惧種とは?
絶滅の危機に瀕している生物のことを言い、開発による生息地や獲物の減少、交通事故、空軍基地などが生活を脅かす原因となっています。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに載っている生息状況から「絶滅」「野生絶滅」の次に「絶滅のおそれのある状態」があります。
その絶滅のおそれがある状態の中に「絶滅寸前のCritically Endangered(CR)」「絶滅危機であるEndangered (EN)」「危急であるVulnerable(VU)」の3つがあり、この3種の中から猫たちをご紹介いたします。ライオン、チーター、ヒョウなどもリストに載っています。
1.イリオモテヤマネコ
原始的なヤマネコと言われていたイリオモテヤマネコは最近になってベンガルヤマネコの亜種と遺伝的に分類されました。
イリオモテヤマネコは沖縄県の西表島にのみ生息します。牙を上手に利用しないので獲物の捉え方はスマートではありません。
人間の元で暮らすと8〜9年がある寿命も野生の場合はあまり長生きはできず、おおよそ100頭生息しているかどうか、という絶滅寸前のイリオモテヤマネコです。
2.ツシマヤマネコ
対馬、韓国や済州島、モンゴルから中国などアジア圏に生息するツシマヤマネコも絶滅寸前です。
20世紀初頭は対馬ではよく見られていた木登りの得意なツシマヤマネコも食用として乱獲されてから減少し、天然記念物として保護されてはいるものの農薬や殺鼠剤などの使用で100頭前後しかいないようです。
3.スペインオオヤマネコ
イベリア半島に多く生息していたスペインオオヤマネコは絶滅危機の状態です。
住む場所も少なくなり現在は山岳地帯や湿地にいます。季節によってウサギ、カモ、自分より大きな草食動物のシカをしとめることもあります。
大変身体が丈夫な美しいスペインオオヤマネコですが、ハンターの仕掛けるウサギ罠にかかってしまうなど生息数を減らしています。
4.ユキヒョウ
ユキヒョウは中央アジアの高地だけに生きている絶滅危機の大形ネコです。
トラのように吠える事がないので小形ネコに分類される場合もあるようです。岩山や渓谷を広範囲に渡り移動し15メートルほどの高さを跳躍し獲物を捉えます。
ヒョウの被毛特徴である梅花状紋が身体を飾ります。この美しい被毛を得るために乱獲されているユキヒョウです。
5.スナドリネコ
非常に荒い気性のスナドリネコも絶滅の危機に瀕しています。
「スナドリ」とは「漁り」の事で沼沢地、マングローブの林、川沿いなど水が豊かにある場所で魚をとり生活をしています。水に入るのは嫌がらず敵に知られる匂いを消すためにも川に入ります。
爬虫類や両生類だけではなく自分より身体の大きなヒョウ、人間、子牛や羊、なども食べる丈夫で強いスナドリネコです。
6.クロアシネコ
シンガプーラくらいの大きさで最小のネコ科動物であるクロアシネコも絶滅危機の状況です
足の裏が黒いクロアシネコは乾燥した平原やサバンナ地域に生息しています。繁殖期でもほぼメスとオスが一緒に活動することが無い単独行動をするクロアシネコです。
大きめの耳は半地下で生きている昆虫を捕食するのに適しています。
7.タイガーキャット
アメリカ産のヤマネコでは最小の別名ジャガーネコとも言われるタイガーキャットも絶滅の危機にあります。
熱帯雨林や灌木の多い地域に住み木登りもうまいトラネコです。小動物や鳥類、トカゲや大きな昆虫類を静かに狩りします。
ジャガーやヒョウに似ている被毛柄のために乱獲されて頭数が減っています。
8.ジャガランディ
絶滅危惧度はもう少し低めのジャガランディですが、とても珍しいカワウソのような見た目から「カワウソネコ」と言われています。低い森林や薮地、水辺や灌木地帯、サバンナが生息地域で、木登りや水に入る事が得意です。
他のネコ科動物と違い、瞬発力だけではなく持久力があり、しつこく獲物を追い果実を食べるなど異色の存在です。毛皮に経済的な価値はないにも関わらず、アメリカ大陸のジャガランディは絶滅の危機にあります。
まとめ
絶滅危惧種に指定されている猫の種類8選!その特徴を徹底解説!についてお伝えいたしました。
どの猫種も本当に猫に見えてきませんか。私達と暮らすイエネコも、肉食動物であり本気を出せば牙と爪で大掛かりな狩りをするでしょう。
人間だけの地球ではない事を自覚し、どのような生物も生き生きと暮らせる自然を取り戻さなければなりませんね。