けりぐるみとは
「けりぐるみ」とは、猫が前脚で抱きかかえて後ろ脚で蹴る、猫用のおもちゃです。前後にしか動かない犬の前脚とは異なり、猫の前脚は前後左右に動くので抱きかかえることができるのです。
動画サイトやSNSへの投稿で夢中になって遊ぶ愛らしい猫の姿が人気に火をつけたようです。
今回は、このけりぐるみで猫を遊ばせることのメリットや選び方、遊ばせる時の注意点等をご紹介します。
猫の狩の方法
猫はとても優秀なハンターです。母親を真似し、兄弟たちと遊びながら狩の方法を身につけます。子猫時代のケンカ遊びもその一つで、相手を押さえつける方法を学んでいるのです。
具体的に猫の狩の仕方を見てみましょう。
- 低い姿勢で獲物に忍びよる
- 約1mまで近付き待ち伏せる
- 尻尾を小刻みに振るわせ、お尻を左右に振りながら後ろ脚で足踏みをして獲物を狙う
- 相手が至近距離に近付いたら一気に飛び掛かかる
- 相手を押さえ込み爪を立てて相手の首や肩を前脚で抱きかかえて固定する
- 首の脊椎を探りあて牙で切断する
猫の遊びは狩
飼い猫たちの遊びは、そのほぼ全てが狩を模した物です。狩をする必要がなくなった今でも、遊びの中で狩を行っているのです。
猫が低い姿勢で音もなく近付いたり物陰から急に飛びかかって来る遊びも、猫じゃらしやライトを追いかける遊びも、人の手や足に抱きついて噛みつくのも狩遊びです。
猫がけりぐるみで遊ぶメリット3つ
1.狩の達成感
猫は野生の習性を色濃く残しているので、いまだに狩は大切なものです。猫じゃらしを追いかけるだけでは不十分です。けりぐるみでは、獲物を捕まえてとどめを刺す達成感を味わえます。
2.一人遊び
猫じゃらしやライト、ボール等の動く相手を獲物に見立てる遊びは、いずれも飼い主さんが上手に獲物の役を演じなければなりません。けりぐるみなら猫が一人遊びできます。
3.問題行動予防
飼い主さんが忙しくて遊べないと、猫はストレスを溜めて問題行動を起こす要因になります。体を動かし、かつ狩の達成感を味わうことでストレスを溜めず、問題行動の予防につながります。
けりぐるみの選び方
- サイズ
- 抱きかかえて蹴りを入れられる、猫の体のサイズに合った物を選びましょう。
- 素材
- 猫が口に入れることも考えて素材にも気を使いましょう。またたびやキャットニップ入りの製品もあるので、与えたくない場合は注意が必要です。
- 形
- ただの長方形よりも、鳥や魚などの形を模した少し複雑な形状の方が遊びやすいようです。
- 丈夫さ
- 付属物が取れやすいと遊んでいる最中に誤食する可能性があります。乱暴に扱っても壊れづらい、丈夫な作りのものを選びましょう。
- 値段
- どんなに丈夫でも、ほつれたり破れたりは避けられません。けりぐるみは消耗品と割り切り、気軽に買い換えられる値段の物を選びましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:茶茶♂ / 6歳 / 茶トラ / 0kg
最後に、けりぐるみで遊ばせる際の注意点についてお話ししておきます。
万が一遊んでいる最中に壊れてしまい、中の綿や付属物を誤食してしまうと危険です。遊ばせる前に必ずけりぐるみの状態をチェックし、必要に応じて修理や交換をしましょう。
またたびは過剰に与えると健康を害する可能性もあるので、またたび入りの場合は時間を制限する等の注意をすると良いでしょう。
できれば、猫じゃらしやライトによる追いかけ遊びと組み合わせて、最後にけりぐるみで狩を終わらせるような段取りで遊んであげると猫は満足できるはずです。