1.マイクロチップ装着は義務なの?
2019年の動物愛護法改正により犬や猫に対するマイクロチップの装着と、あわせて所有者情報等を登録することが義務化されましたが、これは犬や猫の販売業者のみ(ペットショップやブリーダー)に課される義務です。
一般の飼い主に対してはマイクロチップ装着は「努力義務」とされています。これは「絶対に装着しなくてはいけない」ということではなく、「できれば装着した方が良いが飼い主の判断に任せる」ということです。
既に飼われている猫ちゃんに対しても「努力義務」なので、知人などからもらった猫や保護した猫など、マイクロチップが装着されていない猫に関しては、飼い主さんの判断に任せられることとなっています。
2.マイクロチップ装着のメリット
マイクロチップを装着することによって、以下のメリットがあると考えられています。
- 捨て猫を減らす
- 迷い猫の身元確認ができる
マイクロチップを装着することで、容易に猫を捨てる人が減るというメリットがあります。また飼い主の登録により、責任感を助長することにも期待されていると思われます。
さらには迷い猫がマイクロチップを装着していたことによって、無事に飼い主さんのもとに帰ることができるというメリットもあります。
マイクロチップには飼い主の情報を登録しますので、迷子になった場合にはつけていたほうが見つかる可能性が高くなるんですね。
動物管理センターや保健所、読み取り機のある動物病院でも、迷子の犬猫が来たらまずはマイクロチップの情報を確認し、番号が確認できたら飼い主に連絡することができます。
3.マイクロチップ装着のデメリット
マイクロチップの装着にはメリットがありますが、デメリットも存在します。例として以下のようなデメリットが挙げられます。
- 個人情報漏洩の可能性
- MRI撮影の時に影響が出ることがある
マイクロチップ装着時には飼い主の個人情報を登録します。専用の読み取り機とマイクロチップ情報検索のための事前登録が必要ですから、悪意のある人に当たることはほとんどありませんが、個人情報漏洩の可能性は否定できません。
また、病気になった場合のMRI撮影時に影響が出ることがあります。万が一、撮影したい部位に重なるようにマイクロチップが埋め込まれていた場合は、画像が不鮮明になるということもあります。
注意が必要な点として、マイクロチップは迷い猫が発見された時に身元を特定するのに役立ちますが、あくまでも「発見された時」の話です。マイクロチップ自体にGPS機能はないため、装着した迷い猫の居場所を検索することはできません。
このことから、愛猫にマイクロチップを装着しないことを選ぶ飼い主さんもいらっしゃるようです。
まとめ
一般家庭において愛猫のマイクロチップ装着は、現在は「努力義務」となっており、飼い主さんの判断に委ねられます。装着するかどうかはメリットとデメリット、それぞれをよく考えてから決めるのもいいでしょう。
ですが近年ではマイクロチップを愛猫ちゃんに装着する飼い主さんも増えてきています。完全室内飼いでも通院時や家の窓からの脱走、震災などで飼い主さんと離ればなれになってしまう危険性もあるため、発見時に身元が分かるマイクロチップを装着することで無事に再会する確率は上がります。
マイクロチップの装着は動物病院で行います。自治体によっては助成金もありますので、愛猫に装着することを考えている飼い主さんは一度問い合わせるのもいいかも知れませんね。