猫は人によって態度を変える?家族それぞれの扱いが違う理由3つ

猫は人によって態度を変える?家族それぞれの扱いが違う理由3つ

昔から「猫は家につく」と言われているように、猫は犬と比べると人間に対しての関心はそれほど強くありません。しかし猫たちも全く関心がないわけではなく「飼い主さん」「ご家族」「他人」など人を区別しているような態度を取ることがあります。今回は【猫はどうして人によって態度を変えるのか】について解説いたします。

1.「役割り」で認識しているから

ごはんを持つ手と待つ猫

猫は人を何で認識しているの?

猫は人間の顔を区別して認識することが難しいと言われています。現に私の愛猫も、私が無言でそーっと帰宅してみると「どちらさまですか」という怪訝な表情でこちらをうかがってきます。しっかり顔を見ているのに、私であると確信が持てない様子です。

しかしひとたび「ただいま!」と声を出すと「なんだあなたですか」と表情が緩みしっぽを上げて駆け寄ってきます。猫は人間の「声」や足音の癖、その人が出す特有の音などを区別して認識することができます。

そして重要なのは「体臭」です。その人の声や特有の音を聞き体臭を嗅ぐことで、猫は相手を区別して認識することができます。

自分にとっての「役割り」でも区別している

相手が人間である場合、猫はその人の「自分にとっての役割り」を理解していると考えられます。

  • ごはんをくれる人
  • おやつをくれる人
  • トイレ掃除をする人
  • 甘えさせてくれる人
  • 遊んでくれる人
  • そっとしておいてくれる人

など、猫は自分にとって「メリット」になることをしてくれる人をよく理解しています。そして「遊びたい時はこの人」「お腹が減ったらこの人」「ゆっくりくつろぎたい時はこの人」というように、その時の自分の気分によって相手を選んで接する子が多くいます。猫たちはその時その時で自分が快適に暮らすことを大切にしている節があります。

逆に猫たちは「デメリットのある人」も理解します。野生本能を強く残した猫にとっては、自分に危険を及ぼす人を覚えることはとても重要なことです。

  • よく叱る人
  • しつこい人
  • 触り方が強くて不快な人
  • 声や動作が大きくて不快な人

などを覚えて近付かないようにすることで、危険から遠ざかって快適に暮らそうとします。

2.主従関係を持たないから

3人家族と膝の上の猫

猫の世界には「リーダー」はいない

猫は飼い主さんであろうとも「従おう」という気持ちは持ちません。猫の世界にはリーダーはおらず、ひとりひとりが自主性を持ったリーダーであるとも言えます。外猫の世界では「地域のボス猫」が存在しますが、それは「ケンカが強くて幅を利かせている」ということがほとんどで「従って慕う」という関係ではありません。

猫が他者とかかわるのは「自分が今そうしたいから」

そのため猫は犬と違って「指示に従おう」「褒められる行動をしよう」という意識はほとんどありません。猫の世界ではある意味「万人が平等」のスタートラインです。

その中で飼い主さんやご家族に異なる態度で接して猫ちゃんのご贔屓があるように感じるのは、猫ちゃんが「この人と居たら良いことがある」「この人は信頼できる」と思っているためと考えられます。群れを成さない猫だからこそ、猫が自主的に他者とかかわろうとする時は純粋に「そうしたいから」なのです。

3.「好き」や「苦手」があるから

女性に抱っこされる猫と隣にいる男性

猫が好きなのは「安心できる人」

猫にも性格の違いがあり、好きな人と苦手な人がいます。臆病な動物である猫が「好き」と感じる人には「危険ではない人」ということが大前提としてあると考えられます。

たとえば「ご主人様の近くでは眠ろうとしないのに、奥様とはベッタリくっついて眠ろうとする」という猫ちゃんの場合、猫ちゃんは奥様のことを「安心できる人」と感じていると考えられます。

猫にもちゃんと社会性がある

猫は単独行動をする動物ですが、全くのひとりぼっちで生きていくわけではありません。外猫の世界でも「猫の集会」というものが開催されていたり、親しい相手には「アログルーミング」を行って親睦を深めます。

犬ほどの仲間意識や絆はないものの猫にも他者にかかわろうとする社会性があり、ゆるいコミュニティがあります。しかし基本的に猫は群れをなさないゆえ「自分が主体」ですので、自分の気分が乗らなければかかわりませんし、苦手と思う相手と無理に仲良くすることもありません。

もし猫が「この人にだけ甘える」ということがあれば、それはお世辞や愛想笑いなどが一切ない「猫の本心からの『好き』」です。

まとめ

手をつかんでいる猫

飼い主さん以外にも同居するご家族がいらっしゃる場合、愛猫の態度が相手によって違うことを感じるかもしれません。ある人には膝の上に乗って甘えるのに、ある人には密着しようとしないというように、猫は人間のことを区別して接している節があります。

猫は基本的に「安全な人」「自分にメリットがある人」が好きで、その中でも自分に対しての「役割り」で認識していると考えられます。

「遊びたいからこの人におもちゃを持っていこう」「なでてほしいからこの人に甘えよう」というようにチャッカリしているところも猫らしいのですが、しかしその態度は猫の裏表のない本心であり、猫は好きじゃない人には積極的にかかわろうとしないものです。

そんな猫たちの自主的な姿を見ていると、なんだか勇気さえ湧いてきますね。

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