先天的なもの
父猫の性格や毛色など、先天的な要因である程度性格が決まります。ある実験では、友好的ではない父猫を持つ猫が友好的になることはない、という結果が出たそうです。
また、毛色も性格に影響している可能性があるよう。まだ仮説の域を出てはいないのですが、世界中で根強く信じられています。何となく「この毛色の猫はこういう性格」という傾向があるのは確かかもしれません。
ですが、猫の性格は個体差があります。必ず毛色で性格が決まるわけではないことはお伝えしておきましょう。
社会化期でベースが出来上がる
猫の性格は生後2か月頃の「社会化期」のときにベースが出来上がります。この時期にどんな過ごし方をしたかで変わってくるのです。例えば人と多く触れ合ったのなら人懐こい性格に、あまり触れ合わなかったのなら、そこまでフレンドリーではない性格になるでしょう。
本来ならば狩りの対象となるネズミや小鳥などと一緒に過ごせば、その猫は一生それらの動物を獲物にすることはないようです。敵となりうる動物も、社会化期のときに触れ合っていればその後も友好性を示すようです。もし人懐こい猫にしたいのだったら、この時期に適度な人との触れ合いを持たせると良いでしょう。
生活環境
生活環境によっても性格に影響が出てきます。留守番の時間の長さや同居猫の存在などが要因となるのです。飼い主さんとの日頃の触れ合いの時間が短ければ甘えん坊になる傾向がありますし、同居猫の性格によっても左右されます。
そういえば、筆者宅に最初に来た猫は甘えん坊でしたが、後に新入り猫が来ると落ち着いた性格になりました。一応ボス然として振る舞っているようです。後輩の前でデロデロになって甘えている姿を見せられない、という対面もあるのかもしれません。
不妊手術の有無
不妊手術を受けているかいないかによっても性格が異なります。術後に「性格が変わった」と感じる飼い主さんは少なくありません。
手術によってホルモンバランスに変化が起きるため、甘えん坊になったり穏やかになったりします。「子猫のようになった」と感じる飼い主さんが多い傾向にあります。
なぜ性格が違うのか?
猫の性格が違うのは「脳」が関係しています。本能を司っている脳(大脳辺縁系)と周囲の環境によって学習したことを蓄積する脳(大脳新皮質)の働きによるものなのです。
元々持つ性格に生活環境や経験で得たことがプラスされ、性格が形成されていきます。家に迎えた当初は良く遊んでいたのに、そのうち遊ばなくなったという場合「飼い主さんからご飯をもらえるから狩りをしなくても大丈夫」と学んだのかもしれません。
生まれてからの環境や経験はその猫ごとに異なるため、性格が違くなっていくのも納得がいきますね。
まとめ
今日のねこちゃんより:トム♂ / マンチカン / 3.4kg
猫の性格には様々な要因が影響しています。元々父猫からもらった性格があり、そこに猫生経験から学んだことがプラスされていくのです。その猫の行動を見れば今までどんな経験をしてきたのかがある程度予想できるかもしれません。