猫の『しっぽ』取扱説明書!可愛いからといって無理に触るのはやめましょう

猫の『しっぽ』取扱説明書!可愛いからといって無理に触るのはやめましょう

猫の体の部分で「しっぽ」が好きな人は多いのではないでしょうか。その時によって形も動き方も変わってきます。見ていると飽きない部分ですが、どう取り扱っていけば良いのでしょうか。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

1. 踏まない

尻尾を立ててこちらを見つめる猫

猫のしっぽは「踏まない」ようにしてください。どうしてかって?それは、たくさんの神経が通っているからです。骨もあります。

もし強い力で踏んでしまうと、どうなるかは想像がつきますね。神経が傷ついたり、骨折してしまうかもしれません。ですから大切に扱ってあげてください。猫にとってしっぽは飾りでもなんでもなく、パランスを取ったり気持ちを表したりするとても大切なもの。ぜひ飼い主さんもしっぽまで愛してあげてください。

2. 引っ張らない

ダンボールから出ている猫のしっぽ

引っ張らないことも大切です。確かに、掴みやすい部分ではあるのですが…。不用意に引っ張ると踏んだときと同様、神経や骨が傷ついてしまうことがあるのです。そして「猫ふんじゃった症候群」になってしまう場合もあります。

しっぽをうごかせなくなってしまったり、排泄のコントロールができなくなってしまったりします。後ろ足の動きに影響ができることもあるのです。小さな子はとかく、しっぽをおもちゃ代わりにしてしまいがちです。

猫と子供だけにしないことや、引っ張ってはいけないことを教えてあげてください。また、ドアで挟んでしまうことも危険ですので閉める際は十分に注意してください。

3. 動きで感情を汲み取ろう

片手を上げて何かを見つめる子猫

猫のしっぽは、その動きで多くを語ります。ピンとしているときは大抵、その目線の先に飼い主さんがいるでしょう。親愛の情を示しているのです。

また、バタバタと大きく振っているときは不機嫌なとき、小さく動かしているときは何をしようか考えているのでしょう。リラックス中に飼い主さんが呼びかけると、しっぽの先だけを動かしてお返事してくれることもあります。

このように、猫のしっぽは感情を表す大切なものです。どんなときにどんな動かし方をするのか観察してみると、猫とのコミュニケーションがスムーズになるでしょう。ぜひお試しあれ!

4. 軽く撫でるのはOK!

猫のしっぽと人の手で作ったハート

猫がすり寄ってきたとき、顔から背中、そしてしっぽを撫でる飼い主さんは多いです。強く引っ張るのは良くないと前述しましたが、軽く撫でる程度ならOKです。

負担をかけない程度のやんわりとした力でそっと、触れてあげてください。そのくらいなら猫も、不快には感じないでしょう。ただ敏感な部分なので、触られるのを嫌がることもあります。その場合は無理には触れないようにしてあげましょう。猫の好みに合わせて撫でることが大切です。

5. たまにじゃれてみても…

寝転んで尻尾を振っている猫

ゆらゆらと揺れる猫のしっぽ。良く子猫は母猫のしっぽを獲物に見立てて、じゃれて遊んでいます。ですから、たま〜には飼い主さんも、じゃれてみても良いでしょう。

気分が乗れば猫も付き合ってくれるかもしれません。そんなコミュニケーションの仕方も、良いのではないでしょうか。子猫気分が味わえますよ!

まとめ

モカちゃん

猫のしっぽは個性に溢れています。長いしっぽもあれば、モフモフのしっぽも。鍵しっぽやほとんどないしっぽなど、どれも個性的で見ているだけでも楽しい気分にさせてくれます。そんな猫のしっぽ、大切にしてあげましょう。取扱いにはくれぐれも、ご注意ください!

【獣医師の補足】

猫の尻尾は飼い主さんが思っているよりもデリケートです。他の部位の骨と違い、細くて小さいので少しの力でも折れてしまう可能性もあります。また、神経が傷つくと尻尾が下がったまま動かせなくなることもあります。こういった理由から尻尾を触られることを嫌う猫ちゃんは多いので取り扱いにはくれぐれも注意してあげてください。

獣医師:長谷川涼

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