1.恐怖や怒りによるもの
猫は急激に興奮しやすい動物
まずは「恐怖」や「怒り」などによる攻撃の場合についてです。猫は単独行動の動物のため、自分の身を自分で守る意識が強いです。そのため、猫は性格の違いはあれども基本的に臆病な動物です。そして、猫は根っからのハンター気質なので「獲物」とみなしたものを目の前にすると敏感に反応する特徴があります。
このような猫の特徴ゆえに、猫は「楽しい」「怖い」などの感情の沸点がやや低く、急激に興奮してしまうという特徴がある動物です。その特徴から「猫はすぐに攻撃してくる」というイメージを持たれることも多くあります。
他者との関わり方を知らない場合
野良猫として生きてきた猫やひどい環境で飼育されてきた猫などには、人間との関わりに強い恐怖を感じていることもあります。また、子猫時代に家族以外の人間や動物に慣れてこなかった子にも、他者への強い抵抗感がある場合もあります。
このように、他者との適切な関わり方を学ぶことができなかった子は恐怖心からの攻撃性が高いことが多くあります。この場合は少しずつ他者に慣れていき「怖い存在ではない」ということを理解すると、攻撃性が改善される可能性があります。
怒りや恐怖で攻撃してくる前のサイン
猫はすぐに手が出てしまいやすい動物ですが、基本的には「無駄な争いを避けたい」と思っています。相手とケンカに発展してしまえば自分が負傷するリスクが出てくるため、攻撃よりも逃げることを優先させることが多いです。
そのため、猫は攻撃をする前に「恐怖を感じている」「怒っている」というサインを出します。猫がシャー!っと威嚇したり毛を逆立てて怒ったりするのも「これ以上関わってきたら攻撃しますよ」というサインです。もし愛猫の攻撃前のサインを無視してしまうと、猫は次の段階の攻撃に出てしまいます。
猫が怒りを感じているときには、
- シャー!と威嚇する
- 低い声で唸る
- 毛を逆立たせる
- しっぽを山形にする
猫が恐怖を感じているときには、
- 耳を倒す
- 全身をこわばらせてうずくまる
- しっぽを股の間に丸め込む
などのサインが見られます。このようなサインが見られた場合、猫とは距離を置いてあげた方が良いでしょう。
2.遊びの延長
力加減を学べなかった場合
もう1つのケースは、猫ちゃんが「遊びの延長」で攻撃してきてしまう場合です。猫は恐怖や怒りの感情だけでなく「楽しい!」という気持ちでも急激に興奮しやすい動物です。本来であれば、子猫時代に兄弟猫とじゃれ合うことで「手加減」を学びます。
しかし、早すぎる時期に母猫や兄弟猫から離されてしまった子の場合は、どのくらいの力を出しても大丈夫なのかを学べなかった子も多くいます。また、成猫になってから1匹だけで暮らしてきた子にもこの力加減が分からない子がいます。
運動不足でストレスが溜まっている場合
ひとりぼっちでのお留守番時間が長い子の場合や、飼い主さんとの遊び時間が足りない子の場合、猫ちゃんが運動不足で体力が有り余ってしまっていることで激しく攻撃するようにじゃれてきてしまうこともあります。運動不足や寂しさなどのモヤモヤを発散するために、荒っぽい遊び方を仕掛けてきてしまうのです。
力加減を知ってもらう対応
遊びの延長として攻撃してきてしまう子の場合、やっていいことと悪いことを理解してもらう必要があります。犬のようにしつけをすることが難しい猫ですが、飼い主さんの対応次第で攻撃性が改善されることもあります。
- 荒っぽい遊び方のクセをつけない
- 飼い主さんの手で遊ばない
- 攻撃されたら「痛い!」と言って遊びを止める
- 猫じゃらし等の動くおもちゃに注目させる
- 毎日の遊びを充実させる
などの対応で、愛猫に「正しい遊び方」を理解してもらうようにしましょう。そして、愛猫のストレスを上手に発散していくために、毎日の遊びの時間を充実させることも大切です。特に留守番時間が長い場合は、飼い主さんの在宅時に触れ合う時間を大切にしてあげましょう。
まとめ
猫はすぐに興奮して全力の力を出してしまう特徴がありますので、対応を間違えてしまうと飼い主さんやご家族がケガをしてしまう恐れがあります。猫が攻撃をしてくるのは主に2つの理由があります。
恐怖や怒りなどが原因で攻撃してくる場合には、
- 猫の「攻撃前のサイン」を無視しない
- サインが出たら距離をとる
- 恐怖や怒りの対象から離す
- 少しずつ他者に慣れていく
などの対応をしましょう。
遊びがエスカレートして攻撃してきてしまう場合には、
- 荒っぽい遊び方の癖をつけない
- 飼い主さんの手にじゃれついて遊ばせない
- 攻撃されたら「痛い!」と言って遊びを止める
- 猫の注目をおもちゃに移す
- 運動不足を解消する
などの対応をしましょう。