三味線に猫皮が使われる理由
三味線は元は中国から室町時代に琉球へと伝来した「三絃」が「三線」となり、その後改良が加えられて三味線となったと言われています。三線の頃は蛇の皮を使っていたようですが、三味線へと改良されていく段階で猫のお腹の皮が使われるようになりました。乳首が4つ出るように皮を張ると、よりよい音色となるそうです。
ですが実は今は、犬の皮が主流となっています。猫皮ももちろんありますが、犬皮よりも高価です。音色は猫皮の方が繊細で柔らかい音がします。人工皮もありますが、まだ動物皮の音色と比べると遜色があるようです。
三味線用猫皮の仕入れ方
江戸時代から三味線には猫皮の人気が高まっていったようで、猫を捕まえてなめし業者へと販売する、「猫捕り」なる職業も発展していったようです。昭和の猫捕りは新聞にも掲載されました。
今では体裁からか中国など、猫を食べる習慣のある国から仕入れている、と言及している三味線業者も多いですが、実は日本で作られているようなのです。
猫も犬も、保健所で殺処分された犬猫から作られていることもあるそうです。実はこの部分はあまり公にされることではなく、(なぜかはお分かりですね)正確な情報が極端に少ないのです。
もちろん、海外から輸入されていたこともあるのですが、世界的な動物愛護運動の高まりから、輸入がほぼストップしているとか。その代用品にカンガルーの皮を三味線に使う事が検討されているという話もあります。カンガルーとなるとそれこそ、「どこから仕入れるの?」と疑問に思います。オーストラリアからでも、仕入れるのでしょうか?
三味線に猫皮を使うことの難しさ
三味線に猫皮を使うことの難しさはやはり常にあると思います。1900年代なのでかなり前の話にはなりますが、猫を捕獲する猫捕りが動物愛護団体に通報され、逮捕されるという事件がありました。問題となったのは、捕獲した猫の中に飼い猫がいたことです。その猫は無事に飼い主の元へ戻りましたが、猫捕りは窃盗未遂で書類送検されたとの事です。
この事件により、当時は様々な論争が繰り広げられました。猫捕りはもちろん、猫から皮を取る解体業者や、皮を作るなめし業者なども批判の対象となる一方で、三味線奏者には人間国宝がいる、というややこしい状況が生まれました。
それでも今も変わらず、三味線に猫の皮が必要とされているようです。その理由は、猫皮の音の良さにあります。猫の皮は毛根を取り除くと目に見えない位のデコボコができ、これが何とも言えない良い音を鳴らすそうです。人工皮ではもちろん、犬皮でも出せない音だそうです。本番は猫皮の三味線でないとダメだという意見が業界では主流です。
猫を何かの目的で使うのは違法ではないようですが、飼い猫を捕獲するのは止めて欲しいですね。日本の伝統文化を守るのか、それとも猫の命を守るのか…。答えが出る日は、来ないのかもしれません。
まとめ
猫でも犬でも、今や家族として飼っている人が多い時代、三味線に使うためとは言っても、皮を取るのは可哀想だ…と感じる人が大半でしょう。人工皮が使えれば一番良いのでしょうが、現状ではまだまだ人工では動物皮の音色には敵わないようで…。非常に難しい問題です。
どこかで、「三味線の音は人工皮の音だ!」と切り替えが出来れば、動物皮を使うことに歯止めが掛かるのかもしれませんが、やはり反対する人も多いでしょう。
猫が長生きして猫又になる、と恐れられていた時代は猫皮を使うことにそれほど罪悪感がなかったようですが、長生きしても猫又にはならない、と分かった現代では、やはり罪悪感の方が先に立ってしまう気もします。猫も伝統芸能も守れる方法が早く見つかることを、祈るばかりです。
40代 女性 ママにゃん師走
琉球の三線が大阪の堺に入ってきたのは、鉄砲伝来の十六世紀で最初に手にし改造したのは琵琶法師ということです。
元々三線に使用されたニシキヘビの皮は九州以北には生息していないために、別の素材に切り替えざるをえなかったという一点目、たとえ手に入っても高湿度である琉球では劣化しにくい蛇の皮が九州以北では乾いて破れやすいという二点目。
生き物を使用するものは、湿度や気温に振り回されてしまいます。
そして、三点目は力強い奏法では蛇皮の耐久性に問題があること、「三線は湿度のある音色」「三味線は乾いた繊細な音色」と音色の志向が地域により異なるため、という四点が理由により犬や猫の皮を使用するようになったということのようです。
猫皮は薄く毛穴の多いお腹の部分を使用し、犬皮は背中の分厚い部分を使用します。
三味線は大きく分けて、細棹、中棹、太棹とあり、ジャンルや流派により奏法が違い使う楽器も変化します。津軽三味線など力強い響きの時は分厚い犬の皮を使用し、軽やかな音色のためには猫の皮を使用するそうです。
じゃ、牛の皮や豚でもよいのでは?と思っちゃいますよね。残念ながら、響く良い音を出すためには、胴体を全て使う事が必要だそうです。大きな動物の皮だと厚みに変化のない部分しか使えないため、胴体全部を使用出来る小さな動物に限定され、身近にいる猫や犬が音色も良いために使用される事になったのだと思います。
切ない気分になってしまいますが、飼い猫があの世へ旅立った形見としてせめて三味線になって側にいてほしい、と思う方もいるそうです。
今度三味線を聞く時は、複雑な気持ちになりそうです。
40代 女性 しほり
残酷だと思いました。しかし、何かの動物の皮が必要なのは確かなんだなと思いました。
今までは、色んな動物の皮が必要だったかも知れませんが、これからは、人工でも素晴らしい音のでる皮のようなものができることを、願っています。
女性 匿名
(ペットショップで売買されている命は家畜と同じ気の毒な存在ですが…)
ちなみに家には保護猫が3匹おり、全員愛していますので猫を毛嫌いしている訳ではないです。
40代 女性 しまこ
とても、驚いたことを思い出します。
犬の皮と猫の皮とでは、音が違うみたいですね。本番だけでも、猫の皮で作った三味線を使うことも多いらしいですね。猫捕りが捕まることもあるみたいです。確かに飼い猫を捕まえてしまうのは、いけません。いまは、動物愛護団体が厳しいので猫ちゃんの皮を使うのも難しいのでしょうね。しかし、三味線奏者がいらっしゃるので、猫の皮も必要になりますよね。
とても、難しい問題です。
40代 女性 匿名
50代以上 女性 匿名
もしも殺処分された猫ちゃんの皮を使って三味線が作られているとしたら問題があるのでしょうか?
殺処分はなくなるよう努力しなければなりませんが、もしも悲しい最期を迎えた子達も三味線で蘇ることができるのならば…とも思ったりします
猫さえいれば他は何もいらない私ですが、牛豚は食べても何をしても?良いのに、犬や猫はダメと言うのもおかしい気もします(日本の捕鯨にたいして外国から批判されるのと同じ?)インドの人からすれば牛を食べる人は悪魔?奈良の人からすれば鹿を食べるジビエは人でなし?
何を基準にすれば良いのでしょうね?
10代 男性 人間
ありませんかね?ありませんねはい
そもそも生きた猫の皮を剥いだのか
どうか分かりませんが・・・
もしそうなら怖いすね
40代 女性 YOHKO
お肉も皮も余す所なく命を頂いています。
猫はどうでしょう。
江戸時代に外国から猫を飼い猫として日本に持ち込まれたものであって、元々は野生動物ではありません。
あくまでも愛玩動物なのです。
外にいる野良猫は自分勝手な人間が捨てた愛玩動物の子孫です。
人間のエゴで連れてこられて捨てられた愛玩動物である猫を攫って皮を剥ぐ。
人間が命を繋ぐ為に猫の肉を食すならまだ分かりますが、皮目的だけの捕獲なんてそれこそ人間のエゴにエゴを重ねてると思いませんか?
近年は贅沢な毛皮だけの為に野生の動物も含めて皮を剥ぐ行為は反対運動が起きています。
他に代替え品があるのなら理不尽に命奪う必要が無いのです。
動物の苦しみと引き換えに貴方は何を差し出しますか?
何が違うの?みんな同じ!と言うなら人間も何かを差し出さなければならなくなりますね。
そこには明確な区分けがあるからですよね。
30代 男性 匿名
文化を継承していく為に家畜の消費が必要不可欠ならそれを阻害すべきではないというのが私の立場です