1. 発情期
発情期を迎えると、普段とは全く違った大声で鳴くようになります。その様子に驚く飼い主さんもいるでしょう。夜に赤ちゃんのような鳴き声を耳にしたことがある人も、多いのではないでしょうか。
飼い猫が発情期を迎えると脱走したり、大きな鳴き声が近所迷惑になったりといろいろ大変です。ですから繁殖させる予定がないのなら、不妊手術をすると良いでしょう。
手術にはメリットだけではなくデメリットもあり、麻酔のリスクがない手術もありませんので、術前の説明と検査をしっかりやってくれ、飼い主さんが納得できる病院で手術を受けるのが良いでしょう。
2. 病気
病気が原因で夜鳴きすることもあります。あまりに激しいようなら、一度動物病院を受診した方が良いでしょう。猫が夜鳴きをする原因となる病気には、甲状腺機能亢進症が考えられます。6歳以上の猫に多く見られます。
夜鳴き以外にも食欲があるのに体重が減る、飲水量が増えるなどの症状がありますので、良く猫の挙動を観察してください。
3. 寂しい
子猫に多い夜鳴き理由の1つが「寂しさ」です。これまで家族と一緒にいたのに、突然見知らぬ環境に来た場合、不安を感じて鳴くようになるのです。
またシェルターなどで保護されていた子猫の場合は、今まで他の猫たちに囲まれて賑やかだったのに突如として静かな環境になります。そのため、夜になると寂しくなったり不安を感じたりしてしまうのです。
ただ、このときに構うと「鳴けば構ってくれる」と思ってしまいます。これだと夜鳴きが治まるばかりか、毎日繰り返されるようになってしまうでしょう。ですから、ぐっと我慢して鳴いても無視するようにしてください。そのうち新しい環境に慣れてくれば、夜鳴きすることがなくなります。敷物やブランケットを使って、ケージやキャリー内に適度に暗くて狭い寝床を用意してあげると子猫が安心感を得やすいかもしれません。
4. 認知症
認知症になると夜鳴きをすることがあります。もし猫が夜に一点を見つめて鳴くとき、夜中にウロウロして鳴いていることがあるときなどは一度、受診すると良いでしょう。認知症では粗相や一日中ぼーっとしていてあまり動かない、性格が変わるなどの症状が見られることもあります。猫の様子を良く観察して、異常があれば早めに対処してあげましょう。
認知症の夜鳴きは大きく唸るように鳴くことが多いようです。住宅事情によっては近所迷惑になってしまうことがありますし、飼い主さんにとっても夜眠ることができない原因となるでしょう。夜中にずっと起きていたり鳴いていては猫自身の負担にもなりますので、「年だからしょうがない」と放っておかないようにしてください。
5. 空腹
あまりにお腹が空いて夜鳴きをする場合も。猫は元々薄明薄暮性の生き物です。薄暗い夕方と夜明け近くに活発になります。ですから、家の中をいくら探しても獲物がいないため「お腹が空いた〜!」となってしまうのかも。
まだ薄暗い時間に起こされる飼い主さんが大変になってしまいますので、置き餌や自動給餌器で対応していきましょう。夜にごはんを与える時間を遅くしても良いかもしれません。一緒に暮らす時間が長くなると、猫の生活リズムも飼い主さんの生活リズムに合ってくることがほとんどなので、夜鳴きをすることは少なくなるでしょう。
まとめ
以上の対策をしても夜鳴きがなくならず、夜中や明け方に飼い主さんを起こしに来るような場合は、猫がエネルギーやひまを持て余している可能性もあります。特に若くて活発な猫でしたら、昼間にしっかりと運動をさせておく必要があります。肉体的にも精神的にも満たされていて、お腹も空いていない、体調も良ければもともと薄明薄暮性の動物と言えども、猫は朝までしっかり寝てくれるでしょう。猫の夜鳴きは飼い主さんの安眠妨害になってしまいます。お互いにとって快適で健康な生活を送るため、しっかり対応していきましょう。