猫ちぐらとは?
猫が喜ぶと噂の猫ちぐら。聞いたことはあるけれど、意外と謎が多いちぐらにはどのような魅力が詰まっているのでしょうか?
今回は「猫ちぐら」の謎を解明していきたいと思います。
そもそも「ちぐら」ってなに?
日常ではあまり馴染みのない「ちぐら(地域によっては"つぐら"とも)」という言葉ですが、そもそもどのような意味の言葉なのでしょうか?
ちぐらとは「ゆりかご」のこと。原型はお椀型をしており、農家で子守りをするために用いられていたゆりかごを「ちぐら」と呼んでいたそうです。
つまり「猫ちぐら」とは猫のゆりかごという意味なのです。
ちぐらは歴史が長い!?
猫ちぐらが有名になり始めたのは割と最近のように感じられますが、いつから存在していたのでしょうか?
新潟県関川村の農家の方の話によると、猫ちぐらは大正時代には既に存在していたそうです。作られ始めたのは明治時代、あるいはそれ以前と推測されます。『百猫画譜』では、江戸時代後期に猫がちぐらに入る様子が描かれています。
時とともに少しずつ改良を重ね、現代の猫ちぐらが誕生しました。
猫ちぐらはどこで誰が作っているの?
猫ちぐらは、新潟県関川村や長野県飯島村などの地域に根付いた伝統工芸です。筆者はコロナが流行する以前はよく新潟県に遊びに行っていました。道の駅や土産物店で民芸品として販売されています。
この猫ちぐらは誰でも作れるわけではありません。機械編みではなく、修行を積んだ職人さんたちが一つ一つ手編みで制作しています。現在は、ちぐら職人も段々と高齢化が進んでいます。
猫ちぐらを作る職人さんだけあって、猫好きの方が多く、ちぐらを編む傍らには猫がいるというのも自然な光景です。
猫ちぐらは何でできているの?手入れは?
猫ちぐらは、天然の藁(わら)100%で作られています。藁は保温性、通気性ともに優れています。夏は涼しく、冬は温かいという特徴は藁の特性を活かしているのです。
天然物なので、色合いや風味には個性があります。畳を扱うように、時々タオルで拭いて手入れをしてあげましょう。濡れたタオルを使用する場合は、布団乾燥機で乾かすことがおすすめです。
日光に当てることも有効ですが、長時間にわたって強い陽射しを浴びてしまうと藁が傷んでしまう恐れがあるので注意が必要です。
猫ちぐらのデザインと相場
ちぐらのデザインは、ドーム型・ドーム型で天井が開いているタイプ・お椀型などの種類があります。
相場は、猫が入れるタイプでは2万円程と高価です。購入するのにはかなりの勇気がいる高級品ですが、原材料や製造過程を見ると高価なのも分かる気がしますね。
猫ちぐらに入らない猫がいる!?
とても快適そうな猫ちぐらですが、残念なことに入ってくれないこともあるようです。何がお気に召さないのでしょうか?
元々猫ちぐらは、穴蔵で生活していた猫の習性を活かして作られたデザインになっています。しかし、現代の猫は野生を忘れつつあり、人と一緒に布団で眠る猫も多いため穴に入らないのです。
まとめ
今日のねこちゃんより:景(カゲ)♂ / 1歳 / サバトラ / 5.7kg
猫ちぐらは、猫を愛する職人さんが丹精込めて作っていることが分かりました。猫関連の番組でも紹介されていることがあるので、猫に癒されながら猫ちぐらの世界に触れてみるのも面白いかもしれません。