猫の並々ならぬこだわり
猫と暮らしていると、細かいことに強いこだわりを持つ様子に驚かされることが多いでしょう。これもまた、習性の違いや感覚の違いなどが関与しています。
ここでは、猫が執着しやすい事柄をいくつかご紹介いたします。そして、こだわりの強い猫との向き合い方について考えてみたいと思います。
1.水へのこだわり
猫は水に対して強いこだわりを持っています。それは、水の温度・飲み方・種類など多岐にわたり飼い主さんを困惑させることがあります。
砂漠で生活していた猫にとって、飲み水は非常に貴重な存在でした。その野生の名残りが強い猫は、たとえ野生を知らなくても執着しやすいのです。さらに嗅覚が優れているために、においにも敏感な傾向にあります。
ウォーターサーバーの活用や、湯冷ましを作る、温度を変えてみるなど愛猫が少しでも水を飲んでくれるように工夫してみてください。また、微量なマタタビを混ぜたり、ちゅーるを薄めて飲ませることも有効です。
2.食へのこだわり
猫のフードのバリーションが豊富な理由は、ズバリ強いこだわりへの対応です。味覚に関しては人間や犬ほど敏感ではないものの、風味に対するこだわりが強いために飽きやすい傾向にあります。
数種類のフードをローテーションしたり、ブレンドするなどの工夫をすると食べやすくなるでしょう。そして、ドライフードが食べられるようになる生後2ヶ月頃から様々な風味に慣れさせてることも大切です。
3.箱や袋へのこだわり
猫は箱や袋に好んで入ります。これは、かつて穴蔵で暮らしていたことや、ネズミが潜んでいるかもしれないというワクワク感が関係しています。
そして、好む箱にもそれぞれ思い入れがあるようです。人間から見たら同じような箱や袋でも、気に入ってくれないものもあります。
特に長きにわたって愛用しているものへの執着は大きく、勝手に処分してしまうと大変なことになります。劣化から新たなものに切り替える際は、古い箱に染み付いている愛猫のにおいを拭き取り、新たなアイテムに擦り付けて置くことをおすすめします。
4.お世話の役割分担のこだわり
愛猫に人間家族が複数人いる場合、不思議とそれぞれにお世話の役割分担が割り振られます。誰がどの係かを決めるのはもちろん愛猫です。
愛猫の中で爪切りの担当ではない家族が爪を切ろうとしたり、抱っこ係以外の人が抱こうとしても拒否します。おそらく、それぞれのお世話において最も安心して任せられる人を愛猫目線で割り振るのでしょう。
色々と不服はあるかもしれませんが、担当になったお世話を頑張りつつ、時々いつかは担当になりたい係の補助に回ることで愛猫に認められる日が来るかもしれません。
5.飼い主さんの枕や布団を占領する
猫は、飼い主さんのにおいがする枕や布団が大好きです。隙あらば占領し、いざ飼い主さんが眠ろうとしても離れてくれないことがよくあります。
特に枕への執着は強く、無理に立ち退きを要請したばかりにパンチをお見舞されてしまうことも珍しくありません。
直接顔や頭を乗せる枕にのられるのは抵抗があるという場合や、毎度毎度眠りにつくまでが大変という場合は、枕を隠すことが有効でしょう。さらに、代用品に予め飼い主さんのにおいをつけておくことも手段のひとつです。
まとめ
今日のねこちゃんより:きなこ♀ / ペルシャ / 2kg
猫の執着心は、猫が大好きであっても手を焼くほど強いことがあります。当然、全てのこだわりに付き合おうとすると疲弊してしまいます。
猫のこだりの背景には、猫本来の生活スタイルや習性が関与していることが多いので、猫の習性について検索してみることも良いかもしれません。
少し大変だけれど、愛くるしい存在の愛猫と楽しく気長に付き合えるといいですね。