事実無根な猫の迷信
猫はミステリアスな動物です。どこか行動と感情が一致していないようなところがあるため、猫にまつわる迷信が数多く生み出されてきました。
今回は、よく耳にする迷信の中から、真相が少し異なるものをピックアップしてみたいと思います。今まで猫に対してマイナスな印象を持っていた方も、猫を見る目が変わるかもしれません。
1.猫は3年の恩を3日で忘れる
これは猫絡みのことわざです。猫の魅力でもあるツンデレな態度が、"つれない動物"という誤解を受けたことから誕生したものと思われます。
さて、猫は本当に3日で恩を忘れてしまうのでしょうか?そんなことはありません。猫は優れた記憶力と聴覚、嗅覚などを駆使し様々な出来事を覚えています。
いつも優しくしてくれる人には自然と懐き、嫌なことをする人には強い嫌悪感を抱くようになります。つまり、猫はそう簡単に自身の身に起きた出来事を忘れることはないのです。
逆に言えば、一度でも猫の嫌がることをすれば、危険人物の烙印を押されることになります。これは猫の防衛本能のようなもので、危険から身を守る手段なのです。
2.猫は留守番が得意
猫は食事と水分補給、トイレなどの環境を整えておけば比較的留守番が得意といわれています。確かに、1泊2日程度であれば留守番自体は可能なことが多いでしょう。
ただし、これが全ての猫に言えることではないということに注意が必要です。中には甘えん坊要素がとても強く、人がいない環境に強い不安を抱く猫もいるのです。
留守番の得意不得意は、性格によって異なります。猫という動物の固定概念に縛られず、愛猫の性格を理解して受け止めてあげることが大切です。
3.猫は群れない
猫は群れを作らないが故に自分勝手であるといわれがちです。猫が単独で生活すること自体は事実です。しかし、全く群れを作らないというわけではありません。
いわゆる猫島として有名な田代島の猫たちは、数匹ごとのグループで寝食をともにしています。さらに、母子や姉妹で協力して子猫を育てる「共同保育」という習性も明らかになっています。
つまり、安全な環境下では小さなコミュニティが誕生し、他の猫に対して無関心ではないということになります。
4.猫にとって重要なのは飼い主ではない
「猫は家に付く」という言葉があるように、猫にとって重要なのはあくまでも環境であり、飼い主ではないという解釈があります。
これは大きな誤解です。猫は飼い主さんと、そうではない無関係の人を識別することができます。家だけに関心を持っていては不可能なことでしょう。愛猫にとって飼い主さんは特別な人なのです。マイペースなところはありますが、飼い主さんとのスキンシップを心から喜んでいるのです。
5.猫には霊感がある
何もない場所をじっと見つめたり、突如全身の毛を逆立てて走り回るなど、猫は時折謎めいた行動をとることがあります。
このような行動から「猫には人には見えない幽霊が見える」という伝承があるのです。人間にも霊感がある人がいるため、全否定はできないものの大抵の場合は誤解です。
猫は五感の中でも特に聴覚が優れています。人間には聞こえない微かな物音や、外で猫が喧嘩している声などを拾うことが可能なのです。そしてその様子が、まるで幽霊でも見たような反応になるのです。
6.猫は魚が好き
猫は魚が好き!日本人はそう信じていますが、実は日本ならではの特徴になります。フィッシュテイストは日本独自のものなのです。
猫は肉食動物に属し、本来は肉類を食べて生活しています。実際に海外のキャットフードは、鶏肉が中心の肉食メニューになっています。
もちろん日本のキャットフードも猫の習性に配慮して作られています。よって味は肉類、モチーフは魚ということも珍しくありません。
まとめ
6つの迷信から改めて猫について考えてみました。猫は豊かに感情を表現できない部分があり、誤解が生じやすいように感じます。
実際には猫にも個性があり、ひとつの枠組みでは捉えられないものです。迷信や先入観に惑わされずに、一匹一匹の猫と向き合うことが大切です。
猫も人や他の動物と深い絆で繋がることができます。ご縁のあった猫との生活を楽しんでください。