猫に芸は教えられるの?
猫は本来単独行動をしてきた動物なので、犬のように誰かの指示に従うという感覚がありません。よって、犬と同じように芸を教えたいと思っても上手くは行かないのです。
では「お手」や「ハイタッチ」をする猫はどのように技を習得したのでしょうか?実は、猫の習性と"楽しいこと(美味しいこと)"という学習の積み重ねで技を身につけられる可能性があるのです。
思わずやりたくなる基本動作
「お手」のような具体的な技の習得の前に、猫が思わずやりたくなるような準備運動をしていきます。まずは、基本動作を身につけるために必要なものをリストアップします。
- 綿棒やストローなど触れても痛くない棒
- クリッカー(なければ適度に音が出るもの)
- おやつ(特別感のあるもの)
これらを使って実際に基本動作をしていきます。最初にクリッカーを鳴らし、おやつを食べさせます。これを何度か繰り返します。ここで、音が鳴るとおやつを貰えると学習します。
次に棒を猫の前に差し出し、鼻をつけたらクリッカーを鳴らしておやつを食べさせます。猫は細長いものに鼻を近づけて確認する習性があるので、自然な形で活用します。これも何度か繰り返し、その後棒で誘導して鼻をつけるように練習します。これが技を覚えるための基本動作です。
簡単な技を実践してみよう!
移動から鼻をつけるところまでの基本動作が身についたら、今度はいよいよ実践です。ここでは簡単な技を3つご紹介いたします。
1.ハイタッチ
犬の基本の芸といえば「お手」ですが、猫の場合は「ハイタッチ」が最も簡単な芸になります。まずは棒を差し出し、前足で触れたらクリッカーを鳴らしておやつを食べさせます。このとき、鼻をつけてもおやつをあげてはいけません。
猫には元々じゃれる習性があるので、比較的簡単に触れてくれるようになります。何度か棒を使って繰り返し、棒越しに手にタッチするように仕向けます。
そして、徐々に手に直接タッチさせていきます。このタッチするときに「タッチ」という言葉を常に同じ口調で言うことで指示を覚えることができます。
2.お手
ハイタッチができるようになれば、「お手」もできるようになるでしょう。やり方はハイタッチと同様のステップを踏んで行います。ハイタッチと異なるのは、手の向きと合図である言葉のみです。
3.箱から箱への移動(応用編で輪潜りも)
棒の動きに合わせて移動ができていれば、簡単な箱から箱への移動はマスターできるでしょう。少し離れた位置に二つ箱を配置し、両者を行き来させます。この際、棒で誘導して箱に乗ったらクリッカーを鳴らしておやつを食べさせます。
これができれば応用編で輪潜りも加えてみましょう。まずは輪をくぐる動作を箱と同様に覚えさせます。このときも棒を使って誘導します。輪をくぐったらクリッカーを鳴らしておやつを食べさせます。それができたら箱の間に輪を置いて、箱から箱への移動+輪潜りをマスターさせるのです。
まとめ
今日のねこちゃんより:ぎんちゃん♂ / チンチラペルシャ / 2.2kg
今回はクリッカーを使用した方法をご紹介しました。クリッカーは500円以内でネットでも買うこともできますが、猫が不快に思わない適度な音の出るものでも応用可能です。
そして、猫に芸を教えるのはあくまでもコミュニケーションを楽しむのが目的です。一度のレッスンは2分程度にとどめ、無理強いはしないように気をつけましょう。