猫の肉球の役割
猫の肉球は、猫が生活する上で、とても重要な役割を担っている部位です。
- 衝撃吸収
- 足音を消す
- 滑り止め
- 安全に歩くための感知センサー
- 物をすくう、握る
- グルーミング
高いところからジャンプできるのも、外敵や獲物に自分の居場所を察知されないよう、足音を消して歩くことができるのも、肉球のおかげだということですね。他にも、猫の肉球には汗腺や臭腺があり、汗腺から出る汗は、不安定な道を歩く際の滑り止め代わりに、臭腺から出るニオイはマーキングに使用されます。
また、エサを器用に器から出して食べたり、お水をすくって飲んだりする猫もいますよね。これも、肉球を自由に広げたり曲げたりする事ができるからです。前足の、他の肉球と少し離れた場所に豆状骨と呼ばれる、小さな骨を守っているとされる手根球という肉球があります。この手根球の上には、ヒゲのような毛が生えていて、これが感知センサーになり、安全な場所を選んで歩くことができるそうです。このように、猫の肉球は可愛いだけではなくとっても、高性能で多機能な部位なのです。
猫の肉球の怪我
猫の肉球はとても柔らかく、毛も生えていないため、怪我をしやすい部分でもあります。
擦り傷、切り傷
小さなトゲが刺さってしまったり、肉球が擦れて皮が捲れてしまったりする事があります。出血も少なく、猫自身もそう気にしていない様子なら自然治癒に任せても問題ありません。ただし、出血が多く止まらない場合や、腫れが酷い場合、猫が痛がって執拗に舐めてしまう場合などは、かかりつけ医を受診しましょう。
乾燥
猫の肉球は角質細胞でできています。そのため、年齢と共に乾燥し、固くなります。人間のひび割れと同じで、乾燥を放置しているとパックリ割れてしまうことがあります。一度割れてしまうと、猫が舐めたり、歩いたりすることで治りが悪く、再発を繰り返す可能性があります。肉球は猫にとって、とても大切な機能が備えられている部位なので、十分に注意してあげる必要があります。
火傷
肉球は熱を感じる部分が奥にあるため、猫が熱さを感じた時には、すでに火傷を負っている可能性が高くなります。火傷は舐めることによって悪化し、化膿や二次感染の恐れもありますので、かかりつけ医を受診しましょう。
むくみ、腫れ
肉球が腫れるという症状がみられる場合、肉球炎の可能性があります。症状は、むくみから腫れへと進行し、化膿や潰瘍、痛みからの歩行困難などの症状がみられます。肉球炎の原因はハッキリ解明されていないため、潰瘍がみられる場合は外科手術を行い、基本的に症状の軽減を目的とした治療が行われます。
上記以外にも、貧血気味の時は肉球の色が薄くなったり、冷たくなったりすることがあります。逆に発熱時は肉球が熱くなったりと、肉球は猫の健康状態を知るためのバロメーターでもあります。愛猫の異変にいち早く気付くため、日頃から肉球ケアを取り入れてみては如何でしょうか。
猫の肉球ケア
上記のような症状にいち早く気付くため、乾燥を防ぐために日頃から猫の肉球のケアをしてみましょう。
肉球マッサージ
人間の足ツボマッサージのように、ツボを探して強く押す必要はありません。猫の足を優しく握り、親指で優しく押すだけで十分です。普段から猫の肉球に触れる機会が多ければ、異変に気付きやすいことや、猫自身が肉球を触られることに慣れ、爪切りなどへの抵抗も少なくなるかもしれません。
肉球クリーム
様々な種類の猫用肉球クリームが販売されています。猫が舐めても害のない成分で作られていますので、安心して使用することができます。7歳を越えると肉球が乾燥しやすくなるので、特に乾燥しがちな冬場は、普段から肉球クリームで保湿しておけば安心です。
オリーブオイル
上記の肉球クリームの代用品として使用できます。食用のオリーブオイルを数滴手に垂らし、猫の肉球に優しく塗りましょう。
ただし、肉球は猫にとって大切な機能が備えられているため、とても敏感な部位です。猫が触れられるのを嫌がった場合はすぐに中止しましょう。
まとめ
愛猫の肉球は、いつまでもプニプニの柔らかい状態を保ってあげたいですよね。肉球がパックリ割れてしまうなんて、想像しただけでも可哀相です。マッサージも優しく撫でるような簡単なもので十分ですし、保湿もオリーブオイルなら手に入りやすいですよね。普段からの保湿ケアや、チェックで愛猫の可愛い肉球を守りましょう。