言い伝えは本当?
現代には多くのことわざや言い伝えがあります。その中でも、猫ちゃんに関係する言い伝えで「猫が顔を洗うと雨が降る」といったものがあります。この言い伝えはどこから発生して、どのような理由で広まることになったのか、謎が深まる言葉です。
今回はこの言い伝えについて調べてみました。そもそもこの言い伝えは本当のことなのか、気になる部分をまとめてみました。
湿気説
「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えは、あながち嘘ではなく「湿気説」という立派な科学的根拠があるという説があります。これには、まず猫ちゃんのひげの役割が関係してきます。
猫ちゃんのひげは実は優秀な能力を有しており、ひげひとつで「物との距離を測る定規」「風の向きを感じとる風向計」「湿度の変化を察知する湿度計」といった役割をもっています。そのため、ひげは猫ちゃんにとってなくてはならないものであり、多くの情報をもたらしてくれるのです。
その中でも「湿度計」の役割を果たす中で、雨雲がくると当然湿度は増し、猫ちゃんのひげもそれを感じ取り湿度の重さでひげは垂れます。猫ちゃん自身は垂れてきたひげが気になるので顔を洗います。
昔の人はそれを見て、雨が来ると察知したのです。そのため、あながち嘘ではない情報といえるのです。
グルーミングとして
「猫が顔を洗うと雨が降る」という言葉は、もちろん実際には関係がないということもあります。それがグルーミングとして顔を洗っている場合です。
猫ちゃんはもともと綺麗好きで自分のにおいを消す習慣をもっています。野生の中で生活していたときには、自分のにおいが敵にばれてしまうと死活問題になりますので、ご飯を食べた後や排せつを終えたあとは、しっかりとにおいを消していきます。
その中で「顔を洗う」という行為もにおいを消すという意味で行います。これは猫ちゃんによって個体差があるのですが、毎日やる子もいます。それでは雨が降るわけはありませんので、「顔を洗えば」と一概にいえることでもありません。
ストレス解消として
猫ちゃんには、独自に「転位行動」と呼ばれる行動があります。イライラやストレスを感じたときにその物事とは関係のない行動をすることによって、自分を落ち着かせようとする行為です。その中の一つとして「顔を洗う」こともストレス解消につながっています。
びっくりしたり、怒られてしまったり、狩りごっこで失敗などをしてしまったときに「顔を洗う」(グルーミング)することによって心を落ち着かせようとしているのです。
まとめ
上記の言い伝えは半分正解であり、半分間違いであるといえます。猫ちゃんが顔を洗っている理由によっては雨が降る可能性もありますので、飼い主さんも注意深く観察しておきましょう。